ニッケイ新聞 2008年10月18日付け
初のブラジル公演のため近く来伯する歌手の谷本知美さん。公演にあたり、一九九九年にサンパウロで公演した歌の世界の〃姉貴分〃、坂本冬美さんからも応援メッセージが寄せられた。
谷本さんが今回の公演で歌う「角番」(故・猪俣公章作曲)は、坂本さんから「知美ちゃんに歌ってほしい」と受け継がれた曲だ。坂本さんのデビュー曲候補で、シングルA面にはならなかったものの強い思い入れがあり、大事にしている曲だという。
森進一の「おふくろさん」をはじめ、五木ひろし、テレサ・テンなどと多くのヒット曲を生み出した猪俣氏は、モジ出身のマルシアが師事し、デビュー曲「ふりむけばヨコハマ」を提供したことでも知られる。
ブラジルを愛していたという猪俣氏。「角番」は、六年前の同氏の十回忌に坂本さんから谷本さんへ託された。そして今回、その曲とともに来伯する谷本さんに、〃ぜひコロニアへ届けてほしい〃と坂本さんがメッセージを寄せた。
猪俣氏、そして坂本さんの思いを胸に、谷本さんは「角番」、百周年記念演歌「緑の風よ あなたに届け」をはじめ、日本の歌声を響かせる。
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《坂本冬美さんのメッセージ》ブラジルをとっても愛していた、猪俣公章先生。その思いを「角番」という曲にのせて、先生から私、私から知美ちゃんへと繋いで、そしてブラジルの皆さんへお届けして下さい。大成功をお祈りしております。
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【谷本知美ブラジル公演】は二十二日午後八時からリオ日系協会、二十六日午後二時から文協大講堂で開かれる。問合わせはニッケイ新聞(11・3208・3977)