ニッケイ新聞 2008年10月14日付け
ブラジル地理統計院(IBGE)が十日、国内の代表的な都市が周辺地域に及ぼす影響力の大きさを算定し発表と、十一日伯字紙が報じた。
今回発表の各都市の影響力は、二〇〇七年の実態に基づくもので、一九六六年も影響力国内一だったサンパウロ市は影響範囲をさらに広げ、サンパウロ市を中心とする経済圏に属する市は一〇二八。サンパウロ市経済圏人口は五一〇二万人(総人口の二八%)、経済力は国内総生産(GDP)の四〇・五七%。
サンパウロ市の影響力は、道路網や銀行網の発達、航空路線拡充などによって拡大してきたが、本社はサンパウロ市近辺という多国籍企業など、その影響力は大陸にまで及んでいる。その意味で、サンパウロ市を中心とした経済圏の発展は、サンパウロ市経済圏で生産、またはサンパウロ市経済圏を通過して全国に送り出される物資が圧倒的に多いという状況にもつながり、依存性を高めるという弊害もある。
サンパウロ市に次いで影響力が大きいリオ市経済圏に属すのは二六四市、地域内GDP一四・三四%、人口二〇七五万人。各州都経済圏人口は、フォルタレーザ、レシッフェ、ベロ・オリゾンテ、サルバドール、クリチバ、ポルト・アレグレ、ブラジリア、ベレン、ゴイアニア、マナウスと続く。
以上一二州都は、地域影響力の大きさでAクラスとされるが、サンパウロ州カンピーナス市は、経済力や大学数など、州都に伍する実力都市で、経済圏人口が九五万五〇〇〇人以上などの条件を満たすAクラス都市の中で唯一、州都ではない都市だ。
また、サンパウロ州では、リベロン・プレット、サンジョゼ・ド・リオ・プレット両市が、経済圏人口四三万五〇〇〇人以上のBクラス都市に属し、州都並みの実力都市の仲間入りを果たしている。
今回調査では、南東伯の経済力や大学数などの集中とともに、サンパウロ市やリオ市の経済圏は医療体制も充実など、様々な意味で経済発展の恩恵を受けていることも報告。
また、買い物のための移動距離は、国内平均四八キロに対し、南伯二九キロ、北伯一〇二キロ。医療機関までの距離は、国内平均五四キロに対し、南伯三七キロ、北伯一〇三キロなどの数字は、国内の地域格差が依然大きい事の反映でもあり、政策面の不均衡や不備が指摘された他、一九六六年には誕生間もなかったブラジリアや、ゴイアニアの後塵を拝したマナウスの伸張ぶりが報告された。