ニッケイ新聞 2008年10月14日付け
エンブラエル社の航空機を販売した丸紅。実は、朝田照男社長(=写真=)の父・静夫氏は、日伯路線の就航が始まった30年前のJAL社長だったという。
朝田社長に当時のことを尋ねると、「当時、私はロスに駐在していて事情を良く知らなかった」というが奇縁といえそうだ。
同社はロッキード事件以来、長いこと機体ビジネスから遠ざかっていた。「エンジンとか翼の部品はやっていたが、機体まるごとは40年ぶりです。丸紅にとって画期的なこと」と微笑んだ。鈴与(本社=静岡県)も同社の仲介によって機体を購入する。
父が移民70周年に就航させた路線がブラジル、そして、息子が移民百周年の年に、日本を代表する総合商社の機体ビジネスを復活させた相手もまたブラジル。日伯航空史を彩る珍しい逸話といえそうだ。(深)