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ダッタフォーリャ調査=カサビ54%で引き離す=現職の強味を発揮=寄らば大樹のなだれ現象=マルタ支持は低所得層のみ

ニッケイ新聞 2008年10月10日付け

 ダッタフォーリャ調査会社は八日、もしもサンパウロ市長選の決選投票が今日行われたら、カサビ現市長(DEM=民主党)の支持率が五四%、マルタ元市長(PT=労働者党)は三七%という調査結果を発表と九日付けフォーリャ紙が報じた。アウキミン前知事(PSDB=民主社会党)に投票した人の大半がカサビ支持にまわるという調査結果となった。
 サンパウロ市長選挙の第一次選挙後、初めての支持率調査で、カサビ候補がマルタ候補に一七%の差をつけた。決選投票を十七日後に控え、現市長再選の可能性が出てきた。現職市長で州政府を握っていることは、同候補の強味といえそうだ。
 調査は七、八日、サンパウロ市の十六歳以上の一千九百六人に質問して行われた。誤差は上下二%。マルタ支持は低所得層のみで、低学歴で伸びていないのは意外だ。白紙と無効票の七四%がマルタ拒絶票、七一%がカサビ拒絶票であった。
 第一次選挙で他の候補へ投じられた票が、大部分カサビへ回ったらしい。調査では白紙票が五%、未決定は三%。合計八%は、マルタ候補の浮動票取り込みのチャンスが、限定されていることを意味する。
 カサビ票の切り崩しができないなら、マルタ候補は挽回の余地がないようだ。カサビは有効票で五九%の支持率、第一次選から二五%伸ばした。一方マルタは、八%伸びたに過ぎない。
 選挙裁判所の発表は、白紙と無効票を除いた有効票で計算される。ダッタフォーリャも、有効票で計算し発表する。
 第一次選で敗退した候補の票は、次のように山分けされる見込み。アウキミン票はカサビが七四%、マルタが一三%。マルフ票はカサビが六四%、マルタが二一%。ソニニャ票はカサビが六一%、マルタが二一%。その他の候補票はカサビへ二九%、マルタへ五七%が入る見込み。
 調査の結果、カサビ候補はまだTV政見放送も始まっていないのに、他党を総なめにしていることが判明。決選に向けてカサビ陣営は、応援に駆けつけた便乗組の面倒も見ることになる。
 マルタ陣営は、日当を払って大応援団をかき集め市内全域に送り出し、サンパウロ市をPTの旗で埋め尽くす計画。サンパウロ市最南端と最東端は、マルタ陣営の戦略拠点だ。