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リオ州が殺人数トップにサンパウロ州は殺人流行の汚名返上=州毎の集計基準異なるも

ニッケイ新聞 2008年10月10日付け

 二〇〇七年の殺人事件被害者統計で、サンパウロ州の被害者がリオ州の被害者を下回り、殺人数トップの座が初めて入れ替わったと九日伯字紙が報じた。
 サンパウロ州六〇五七人、リオ州五七〇八人だった二〇〇六年の殺人被害者が、〇七年は、リオ州五五〇四人、サンパウロ州四八七七人となり、順位が逆転したもの。殺人減少率もサンパウロ州一九・五%に対し、リオ州は三・六%に留まった。
 エスタード紙は、暴行事件後の死者や警官との抗戦での死者も含むサンパウロ州と、これらを含まないリオ州との差は数字以上というが、人口からいっても、リオ州の殺人被害者数はサンパウロ州より上だ。
 一〇万人当たりの殺人被害者ではエスピリト・サント州の四一・六(二〇〇六年四七・八、以下同)が最多で、リオ州三五・〇(三六・七)、ペルナンブコ州三四・五(五〇・六)、マット・グロッソ州二九・〇(二六・八)と続く。もっとも、エスピリト・サント州では、警官との抗争も含む全ての殺人被害者を集計しており、集計基準を統一しないままの比較に不満を表明。この点は、サンパウロ州とリオ州の比較でも同じだが、警官との抗争によるリオ州の〇七年の死者は一三三〇人と報告されている。
 また、ペルナンブコ州の〇七年殺人被害者は、〇六年の四三〇五人が二九六二人に三一・二%減少と報告されたが、同州保安局は、実際は〇六年の四五七四人が〇七年は四四七九人と二・〇八%の減少と訂正した、
 ただ、〇七年五月に就任した同州知事は殺人の年一二%減少などを目標にし、殺人集団解体や殺人に関係した警官解雇などを積極的に実施。殺人はこれで七%減少した。
 各州のパトロール経費は、殺人事件の少ないピアウイ州の経費が、事件がなくて七〇・八%減少というのは特例で、概ね増額。それでも、機材購入などを含む捜査費はまだ不十分だという。
 例えば、フォーリャ紙が二〇〇八年末の一〇万人当たりの殺人数を一〇人以下にする目標達成の可能性が高いと報じたサンパウロ州。一九九九年の被害者一万二八〇八人が四八七七人にと六二・五%減少し、世界保健機構から「殺人流行」と言われた汚名は返上出来ても、五月二十六日エスタード紙が報じたように、〇七年の殺人事件解決率は二〇〇五年の六五・五%より低い四六・九%。犯罪防止と解決のため、今後も一層の努力が必要だ。