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JAL「翼が結ぶ日伯交流」=約200人が遊覧飛行を堪能=92歳、親子3代の参加者も

ニッケイ新聞 2008年10月04日付け

 日本航空(JAL、西松遙代表取締役社長)は二日午後一時から、ブラジル日本移民百周年と同社日伯間の定期便就航三十周年を記念した遊覧飛行「翼が結ぶ日伯交流」を実施した。
 同企画は、日系社会やブラジルへの感謝の気持ちを示すために企画したもので、遊覧飛行には、成田―サンパウロ間で実際につかう航空機(B747―400)を利用。パイロットも今回のために日本から訪れた。
 最初の開会式であいさつした西松社長は、JALとブラジルとの関わり、歴史を紹介した後に「これからも日伯間のさらなる友好に力を尽くしたい」と喜びを表しながら話した。
 続いて来賓代表で西林万寿夫在サンパウロ総領事が「JALは日伯間を結ぶ唯一の航空便」と評価し「皆様にとって良い思い出になるように」と話した。
 続いて、四世代中の三世代で参加した上田幸音さん(92、高知)、上田朝子さん(61、福岡)、高橋フェリッペ暖さん(8、三世)、高橋フェルナンド健さん(5、三世)たちに記念品がわたされた。
 参加者は期待に胸を膨らませながら飛行機に乗り込んでいった。航行中は日本に関する紹介ビデオを見学したほか、六代目から九代目(日伯間就航三十年間分)の制服を着たスチュワーデスから機内食サービスなどを受け搭乗者は満面の笑みを浮かべていた。
 航空機は高度を低く保ちながら、リオ、サントス上空を通過した。搭乗者は約一時間の遊覧飛行の間、興奮しっぱなしだった。また、サントス上空では三六〇度旋回するサービスも行われた。
 最高齢者の上田幸音さんは搭乗を記念して短歌を三句作成した。「感動を託して短歌を作りました」と満面の笑顔。「思いがけないことでありがたいし、感謝している。一生忘れられない」と涙を浮かべながら感想を述べた。
 夫婦で参加した坂本明さん(83、大阪)と幸子さん(82、茨城)は新聞を見て応募したという。「いつも高い所から見るけど、こんなに(低い高度で)見られる機会はなかなかない。本当に素晴らしい」と感動しっぱなしだった。
 親子三代にわたって参加した中鶴フヂさん(90、宮崎)、田中久美子さん(54、宮崎)、田中美香さん(10、二世)。親子三代で飛行機に乗ってみたかった、と参加理由を説明する。フヂさんは「飛行機に乗ったことはあるけど見物は初めて。長生きしたら良い事がありますね。本当にありがたいですね」と満面の笑みを浮かべた。
 来場者たちは堪能した様子で一時間の遊覧飛行を楽しみ、たくさんの思い出を持って帰路についた。