ニッケイ新聞 2008年10月03日付け
ニッケイ新聞の調べでは、五日の統一地方選挙に向けてサンパウロ州内で、四十三人の市長候補と三十七人の副市長候補が選挙活動を繰り広げていることが分かった。移民百周年で日系人の存在がクローズアップされたせいか、多くの候補が立候補しており、アンドラジーニャとペドロ・デ・トレドでは日系候補同士の対決となっている。なお、サンパウロ市議選には二十五人が立候補し、乱立状態になっている。
日本人墓地で有名なアルバレス・マッシャード市では現職のルイス・タカシ・カツタニ候補(PSDB)への対抗シャッパ副市長にユーゴ・ヨコヤマ候補が入っている。
〃卵の都〃バストス市では四組中、三組の副市長候補が日系人だ。残る一組は市長候補がシゲユキ・トヨシマ氏(現副市長)という、いずれのシャッパでも日系人が要職につく陣容だ。
ちなみにトヨシマ市長候補は、サンパウロ州では日系としては最年長で、十一月十八日に七十四歳になる。「経験で貢献する」をテーマに選挙戦を繰り広げている。
イビウナ市で副市長として出馬するコウイチ・ムラマツ氏は、地元では野球で知られている。
その他、女性ではジュリエッタ・オムラ候補(ペルイベ)、イネス・サチ・オクヤマ・カワモト候補(レジストロ)、ペッチ・モリモト(ノーバ・インデペンデンシア)も出馬している。
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サンパウロ市市議には日系人二十五人が立候補しており乱立状態だ。現職の羽藤ジョージ、野村アウレリオ、神谷牛太郎三市議に続き、故小林パウロ連邦下議の子息ビットル氏も出馬しており、日系票の食い合いを危惧する声も出ている。
九月二十五日には初めて、日系市議候補九人が集まって公開討論会もサンパウロ市内の北海道交流協会で開催された。主催はインスティツート・イカロやレビスタOKなどで、日系社会内での日系候補の認知度を上げる効果が期待される。
党によっては二万票あまりで当選できるが、PSDBなどの当確ラインは三万票ともいわれており、かなりの激戦が予想される。
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変り種の市議候補としては、サンベルナルド・ド・カンポ市で初立候補したマジシャン(奇術師)、オサマ・サトウ候補(PSC)がいる。ジアリオABC紙九月二十七日付けには「党は、百周年の年だから日系ブラジル人候補を立てたいと私に打診してきた。選ばれて大変光栄だ」とコメントしている。
国内各地で開催されてきたオリエンタル・マジックショーのリーダーとして知名度がある。「文化、教育、健康は良い政策の基礎。特に文化に力を入れたい」と語っている。