ニッケイ新聞 2008年10月03日付け
東京の渋沢史料館による企画展「日本人を南米に発展せしむ―日本人のブラジル移住と渋沢栄一―」が今月四日から十一月二十四日まで、東京・北区の同史料館で開かれる。
幕末に生まれ、大蔵官僚を経て経済界に転じた後は様々な企業設立に携わり、「日本資本主義の父」とも呼ばれる渋沢栄一(一八四〇―一九三一)。
その一方で、ブラジル最初の日本人植民地となったイグアペ植民地を創設した伯剌西爾拓植株式会社、アマゾンに植民地を開設した南米拓植株式会社、海外植民学校などブラジル移民との関わりも深かったことは、あまり知られていない。
同企画展では、渋沢栄一の海外・ブラジル移民との関わりを紹介する。展示のほか、期間中は講演会、ギャラリートークなども実施される予定だ。広報資料で同館は、「渋沢が手がけた事業を具体的にご覧いただくことで、ブラジル日本移民史の一端を知っていただければ幸いです」と来場を呼びかけている。
同展は、「飛鳥山3つの博物館」十周年事業で、日伯交流年認定事業。国際協力機構が後援する。
同史料館のサイトは、www.shibusawa.or.jp
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講演会の日程、講師は次の通り。十一月一日午後一時半、「定住型ブラジル移民と渋沢栄一」(講師=黒瀬郁二・鹿児島国際大学経済学部教授)。二十三日午後一時半、「ブラジル移民事業と南米航路」(講師=谷ヶ城秀吉・立教大学経済学部助教)。ギャラリートークは十一日から十一月十五日の間の土曜日開催。