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物価は不確定時代へ=インフレ要因がバーチャル化

ニッケイ新聞 2008年10月1日付け

 国際金融市場の悪化で中央銀行は九月二十九日、潜在的な需給関係とインフレに関する報告書を発表と九月三十日付けエスタード紙が報じた。同報告書によれば、ドル高騰による国際環境の深刻化によりインフレ・リスクは、生き延びたという。
 前回はインフレ対策を万全と発表し、今度は不確定要因の中のインフレ予測は気が置けないとしている。不確定要因は経済活動をバーチャル化させ、産業や物流の影響で潜在的に物価が変動するようになった。
 金融不安がもたらす不況でインフレは沈静化されるはずだが、ブラジルのインフレも同じかは中銀も分からないという。不況が予想される国際環境の中、中銀は十月に政策金利の引き上げを検討しているようだ。
 〇八年は、まだ五%の経済成長率が見込めると中銀はいう。産業界は、五・二%だ。経済成長率に添ってインフレも、織り込まれる。
 FGV(G・ヴァルガス財団)の発表によれば、為替変動と物価の関係は九月、〇・一一%の物価上昇で表れはじめたという。八月には大豆の値下がりで〇・三二%のデフレを記録し、安心したばかりなのに。
 中銀は消費者所得に対する債務率が、第1四半期の一二・二%から第2四半期は二六・五%に飛躍したと発表。これは所得が、二二・九%から三一・三%へ伸びたからだと中銀はいう。
 消費者ローンは同期、昨年同期比で二二・五%から二五%へ伸び、GDP(国内総生産)の四〇%を占めるに至った。これらの数字は、金融危機はまだ消費者レベルに至っていないことを示した。