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市長、市議戦投票日迫る=支持率伸ばすカサビサンパウロ市長=17州都は一次で市長決定か

ニッケイ新聞 2008年9月30日付け

 十月五日の投票日を前に全国で市長や市議選出のための選挙戦が続いているが、サンパウロ市ではマルタ氏とカサビ現市長の決選投票の可能性が出てきたこと、一七州都では一次投票で市長決定の見込みなどが二十七日~二十九日伯字紙に報じられた。
 サンパウロ市長戦では、当初からリードを保ってきたマルタ氏が、二十五~二十六日調査のダータフォーリャ(DF)で三七%、二十三~二十五日調査の世論調査・統計機関(Ibope)で三五%の支持率を保ちトップ。
 これを追うカサビ、アウキミン両氏支持率は対照的で、DF八%、Ibope一〇%でスタートしたカサビ氏が八月以降上り調子で、それぞれ、二四%、二五%に支持率を伸ばしたのに対し、アウキミン氏は、どちらの調査でも三一%から二〇%へと下降。統計上の誤差をいれると同率ともいえるが、一般的に、上潮の候補の方が有利。
 セーラサンパウロ州知事が同党公認のアウキミン氏支持を明確にしないことが同候補の支持率低迷に影響とも言われるが、カサビ氏支持率上昇には、サンパウロ市行政をセーラ氏から継いだ同氏の実績評価の高まり、テレビでのアピール力の差なども出ている。
 最高一七%、平均で一二%の視聴率を記録した二十八日夜の公開討論会後、市民の考えがどう変わったかの調査は今後のことだが、二十七日報告のDF調査では、決選投票がマルタ氏対カサビ氏の場合四五対四八、マルタ氏対アウキミン氏の場合も四六対四七と対立候補有利。Ibopeは、それぞれ、四五対四四、四五対四五と互角。
 一方、全国の州都や人口二〇万以上の市では労働党(PT)優勢というが、第一回投票で決まりそうな州都(再選一二を含む一七)で、労働党は五人当選の見込み。決選投票になると予想される州都はサンパウロ市やリオ市など九市で、上位二人が実質互角の州都が四つ。
 また、市議選では、二十八日エスタード紙がサンパウロ市では投票者未定の人が六三%と報じたように、投票間際に選ぶケースが多い。前回の選挙で投票した市議の名前を忘れた人が五九%では、選挙公約を守っているか否かの監視など程遠い。
 罰せられないためにだけ投票しに行くという人も多いブラジル。自分達が選んだ市長や市議の市政を見守るまでの参政意識を育むことも必要だ。