ニッケイ新聞 2008年9月26日付け
【西日本新聞二十三日付】TKU(テレビ熊本)は熊本県宇城市出身の日系人画家、マナブ間部さん(間部学、一九二四―九七)の生涯をドラマ化した。十一月二日に同局を含むFNS系列の九州七局で放送する。間部さんを演じる俳優の斉藤暁さん(54)と、妻よしのさん役の賀来千香子さん(46)が二十二日、同市の不知火美術館で記者会見し、見どころなどを語った。
ドラマのタイトルは「夢の足跡・画家マナブ間部‐ブラジルと日本に架けた虹」。旧宇土郡不知火村(現在の宇城市)に生まれた間部さんが一九三四年に家族とブラジルに移住後、画家として成功しながらも二つの祖国を背負い、激動の時代を生き抜いた人生を描いている。
間部さんにそっくりなどの理由で主演に起用された斉藤さんは「顔は似ていても、性格は正反対。間部さんの日本への思いを想像しながら、演じました」。賀来さんは「奥さまは器の大きな間部さんを優しく包み込んだ人。役者として、とても勉強になりました」と語った。会見には宇城市の阿曽田清市長も同席した。
放送時間(日本時間)は午後四時五分から午後五時二十分まで。
間部氏の功績称え 来年1月に公募展
今年のブラジル移民百周年を記念し、宇城市は来年一月、マナブ間部(まべ)さんの功績をたたえ、公募展を開く。最高賞の「マナブ間部大賞」には副賞として五十万円を贈る。応募作品を募集している。
間部さんは十歳のときに両親とブラジルに移住。コーヒー農園で働きながら画家を志し、三十四歳で「サンパウロ・ビエンナーレ展」の最高賞を受賞するなど、注目を集めた。個性的な抽象画で知られ、作品の多くは宇城市の不知火美術館に所蔵されている。
版画家の野田哲也・東京芸大名誉教授らが審査し、十二月中旬に結果を発表する。受賞作などを展示する公募展は来年一月七日~二月一日、不知火美術館である。