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高円宮妃久子さまがサンパウロ市へ=慰霊碑や史料館をご訪問

ニッケイ新聞 2008年9月23日付け

 ウルグアイ日本人移住百周年式典、アルゼンチンで開催された「バードライフ・インターナショナル世界大会」などに出席されるため南米ご訪問中の高円宮妃久子さまが、十九日から二十二日までサンパウロに滞在された。二十日午後にはイビラプエラ公園の開拓先没者慰霊碑と日本館、ブラジル日本移民史料館などを訪問され、夜には日系団体代表者と懇談された。
 二十日午後二時頃にサンパウロ市内のイビラプエラ公園に到着された久子さまは、最初に日本館を訪問された。
 同館関係者の出迎えに感謝の言葉を述べられた後、「庭に植樹されたのはどなたですか」などと質問されていた。
 同館内のお茶室の前では、関係者たちと記念撮影を行うほど和やかな雰囲気で、展示室では展示品一つ一つを確かめるように、熱心に見学されていた。
 同館内で記帳された後、慰霊碑の前では、木原好規和歌山県人会連合会会長が出迎え。説明の後、久子さまは慰霊碑に二度深々と頭を下げられた。その後は碑の下の霊廟をご訪問、記帳された後、関係者にお礼の言葉を述べられた。
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 イビラプエラ公園の後は同日午後午後三時に文協ビルを訪問され、七階から九階にある移民史料館を、栗原猛同運営委員長の案内のもと、一時間十五分ほどかけて見学された。皇室と縁戚の関係に当たる多羅間俊彦・東京都友会名誉会長や丸橋次郎在聖首席領事らも同行した。
 七階展示室では笠戸丸やぶらじる丸の模型、歴代の移民船の写真パネルをご覧になった後、栗原委員長に「最後の(移民)船はなんですか」と質問され、栗原委員長は「にっぽん丸です」と答えていた。
 戦前の日本移民の家屋を再現した建物では、内部に飾られた天皇皇后両陛下の肖像などをご覧になり、移民百周年記念写真集『目で見るブラジル日本移民の百年』の掲載写真の一部を展示した特別コーナーでは、巨大な菩提樹を切り落とした開拓者を写した特大写真を前に、声をあげて驚かれる場面もあった。
 九階展示室では、高円宮憲仁親王の両親、三笠宮ご夫妻が一九五八年の移民五十周年祭で来伯された際の写真に目を止められ、パネルの解説をじっくりと読まれていた。
 同階入り口の来訪者の記帳簿に「久子」と自筆のペンで丁寧に署名され、最後に笑顔で「ありがとうございます」と関係者に何度もお礼を述べられ、同館を後にされた。
 同日夜にはサンパウロ市内レストランで文協、援協、県連などの日系団体代表者約十人との懇談夕食会が開かれた。環境問題などが話題に上ったという。夕食会に出席した与儀昭雄県連会長は「久子さまはすごく環境のことに興味がおありだった。二時間半もの長い間、お話ができて良かった」と感想を語った。