ニッケイ新聞 2008年9月16日付け
ブラジル日本都道府県人会連合会、ASEBEXが共催する日本語弁論大会が十月十九日に実施される。「私にとって移民百周年とは」をテーマに開催された昨年の第一回大会には十七人が出場、百三十人が訪れた。今年のテーマは「私の日本文化」で、申込み締め切りは今月三十日。「非常に好評だったのでまたやることにしました」、杉本俊和審査委員長は、昨年大会の優勝者フェリッペ・アウグスト・ソアレス・モッタさんを伴って来社し、笑顔で出場を呼びかけた。
イタリア系三世のモッタさん(22)はUSPで歴史学を専攻。日本語は高校二年時から習い始め、大学では日本語授業を受講ではなく、単位にならない聴講生として覚えたという、筋金入りの日本好きだ。
昨年の弁論内容には「日本語が話せる三世と四世の日系人はいるものの、他の移民子孫の状況は正反対である」とあり、自身のイタリア語も「かたこと程度」といい、サンパウロ市周辺の移民系コミュニティにはあまり先祖の言語が継承されていないとい
う。
最近流行りのマンガやアニメにはさほど興味なく、「日本文学が一番好き」と言い切る。最も敬愛する作家は川端康成だという。カラオケは五木ひろしという本格派。
昨年の弁論大会で優勝してもらった日本往復航空券で七月に訪日、東京、鎌倉、京都、奈良などを一カ月かけて回った。「秋葉原では殺人事件の一週間後で、ちょっと怖かった」と笑う。
来年四月から国費留学生として大阪大学大学院の修士課程に三年間、日本の大衆文学を研究しに行く。「大正から昭和初期に、西洋からの影響がどう見られるかに興味がある」という。
長友契蔵実行委員長も「このような人が発掘できて、やった甲斐がありました。今年も期待しています」とのべた。
◎
今年の弁論大会が十月十九日午後一時から広島文化センターで行われるにあたり、現在、出場者を募集している。今月三十日までにメール(info @kenren.org.br)もしくはFAX(11・3207・5224)まで原稿を送付すること。それをもって応募となる。
今年の弁論大会テーマは「私の日本文化(日本語)」。参加年齢は十五~三十五歳で、日系、非日系を問わない。二十人まで。一位は日本往復航空券、二位はベレンかブエノス・アイレス往復航空券、三位は五百レアル商品券、四位は四百レアル商品券、五位は三百レアル商品券。問合わせは県連(11・3277・8569)ま
で。