ニッケイ新聞 2008年9月16日付け
社会福祉法人こどものその(岡本ルイス理事長)は創立五十周年を記念し、十四日午前九時半から記念式典(鈴木康夫実行委員長)をサンパウロ市イタケーラ区の同園本部で挙行した。創立者の故・長谷川良信氏の息子である長谷川匡俊・淑徳大学学長や姉妹校「はるな郷」の北条修副郷長ら日本から六人が駆けつけ、曇り空のもと運動場で行われた昼食祝賀会には約四百人が集まった。同園は五十年間の感謝を込めて、三百十五の関係者・団体に感謝状を贈った。
午前九時半から行われた法要には、来賓や同園生徒約百人など合計三百人が参加。佐々木陽明・浄土宗南米開教総監により厳粛に執り行われた。
佐々木総監は、同園は先駆的に障害児教育に取り組んできたと法話の中で話し、創立者の長谷川良信氏とイタケーラの同地を寄付した井口吉三郎氏の功績を称えた。
続く記念式典で岡本理事長は、「何千何万もの協力があり今日までやってこれた。一緒に歩んで下さり心から感謝します。道のりはまだ続いています。これからもよろしくお願いします」と感謝の言葉とともに、さらなる協力を呼びかけた。
長谷川学長の兄、長谷川良昭氏は父良信氏と一緒になり同園創立に携わった。現在病床にいる良昭氏の代理で来伯した長谷川学長は、「兄は本当にイタケーラの地を愛しています。今日はその思いを伝えたいと来伯しました。兄に代理で来伯すると伝えると、顔をくしゃくしゃにして感激を表していました」と述べた。
当日は長谷川学長ら六人ほか、野村アウレリオ、ジルソン・バレット、羽藤ジョージ各サンパウロ市議、飯星ワルテル連議、丸橋次郎在聖総領事館首席領事、千坂平通JICA聖支所長、ラエルテ・デ・リマ・テイシェイラ副市長、上原幸啓文協会長ら多くの来賓が参加し、祝辞を述べた。
また同園名誉顧問の島内憲駐伯日本国大使などからの祝電も読み上げられた。
続いて同園から、長年寄付金を募ってきた支部長や副支部長、地元日系団体、バザー協力団体、元役員など三百十五の個人・団体に感謝状が送られ、代表者約四十人に手渡された。
式典後は運動場に会場を移し、鏡割りとケーキカット。入園して一番長い生徒のヒガシ・トシカズさんとナガイ・エミリアさんがろうそくの火を吹くと、盛大な拍手が送られた。
昼食祝賀会では、現役員などから募った寄付で用意した牛と豚のシュラスコや婦人会が用意した食べ物や飲み物がふんだんに振舞われ、寒空にも関わらず約四百人が楽しい交流の一時を過ごした。
食後は同園生徒による太鼓の演奏、琴、ビラ・カロンの琉球國祭り太鼓などが披露され、最後にACAL婦人部と同園生徒が一緒に「海を渡って百周年記念曲」を踊り、幕を閉じた。
式典後、鈴木委員長は「本当にこの五十年、多くの人々に支えられてやってきた。ただただ感謝するのみです」と話していた。