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Jポップで踊る、踊る、踊る=マツリダンスで非日系熱狂=ロンドリーナ祭りに2万人=グルッポ・サンセイ20周年

ニッケイ新聞 2008年9月12日付け

 【ロンドリーナ発】北パラナで新しい祭りの形が確実に育っている。会場を埋め尽くす四千人の若者の七割以上は非日系だが、日本の歌謡曲に合わせて気持ちよさそうに踊る、踊る、踊る。五日から三日間行われたグルッポ・サンセイ(城間美智子代表)主催のロンドリーナ祭りでは、日系と非日系が共に日本文化の一端を楽しむ姿が見られた。三日間で延べ二万人が訪れた。今回は移民百周年に加え、グルッポ・サンセイ二十周年も祝われた。
 〇三年から始まったこの祭りは、まだ六回目の新しいイベントだ。午前中から健康体操、ロンドリーナ文協のカラオケ歌手、サンパウロのストリートダンス、合唱団などの披露に続き、午後七時から一心太鼓、グルッポ・サンセイのYOSAKOIソーランが演技を見せた。午後八時半から伝統的な盆踊りがロンドリーナ沖縄県人会を中心に披露され、炭坑節や東京音頭にも非日系人が混じって踊る姿が見られ、午後九時過ぎからいよいよマツリダンスの時間に。
 特設舞台前の広場には続々と非日系の若者がギッシリ集まる。「新しい曲を用意してきたよ」と舞台から呼びかけると、観衆は大喜び。「ギザギザハートの子守歌」「島唄」「松本ぼんぼん」などのマツリダンス定番音楽を生バンドが演奏し、ステージ上で見せられる模範演技に合わせて、会場の四千人が一斉に身体を動かした。
 前日からの寒気を吹き飛ばすほどの熱気だ。舞台前の若者の数は、時間を増すに従ってどんどん増える。演奏されているのは全て日本語の曲だが、踊っている若者の大半は非日系だ。バンドに合わせて和太鼓を叩くのも特徴だ。
 「この雰囲気がなんとも言えず最高!」というのは、同地在住の非日系マリアネ・ソウザさん(16)。「歌詞の中身はまったく分からないけど、みんなで一緒に踊るのがいいわ」と紅潮した表情で語った。
 ロンドリーナと姉妹都市の沖縄県名護市の名桜大学から約二週間、交流団としてきていた二十人の一人、知花昌哉さん(21)も「日本にはこういうのない。外国人が日本の曲に合わせて踊っているのが面白い」と興奮した面持ちでいう。
 ステージ前の最前列で踊っていたライス・ラヴラッチさん(18)=同市=も「素晴らしいの一言。日本文化大好き」と礼賛した。
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 昨年までは西宮公園で行われていたが、来場者が増えて手狭になったことなどから、今回からネイ・ブラガ公園に。入場料は二レアルで、駐車場の環境や治安が大幅に向上したという。環境問題をテーマの一つにすえ、「緑のスペース」を入場門近くに設置し、関連企業や公団の展示や、ゴミのリサイクル、苗の配布なども行った。
 会場が広くなったことから、二十二もの食のブースが並び、昨年好評を博した流しソーメンの無料試食が今回も行われた。
 グルッポ・サンセイの城間代表(45、三世)は「祭りが育ってきて嬉しい。みなさんのおかげ」と来場者に感謝した。