ニッケイ新聞 2008年9月6日付け
国防省と社会経済開発銀行(BNDES)は四日、ルーラ大統領の意向によりヴィラコッポス空港とガレオン空港の民営化準備に入ったと五日付けエスタード紙が報じた。両空港は、空港システム改善の実験場となる。業界は、念願の民営化にもろ手を挙げて歓迎。民営化により株式公開となるか、管理委託にするか、これから協議する。
サンパウロ州工業連盟(Fiesp)は、両空港の民営化を全面的に歓迎した。両空港の民営化成功が、全空港の民営化につながることを期待するという。ブラジルの発展とともに航空機数と乗客数は激増したが、空港の基幹構造は旧態依然のままだ。
航空業界と輸出業界は、民営化歓迎の意を表明。主要空港に、新滑走路の増設を訴えた。空港パニックが問題となったとき、民営化の必然性は叫ばれていた。
Infraeroは、両空港の民営化で歳入が二〇%減る。今年上半期の歳入は、三億五千万レアル。ガレオン空港が一千二百万レアル、ヴィラコッポス空港が四千八百万レアル、両空港だけで六千万レアル。
二〇一四年のW杯サッカーを控え、空港整備は急務だ。肝心のInfraeroには、その資金力がない。解決策に民営化のゴーサインが出たが、委託方式か株公開方式かを決める。
航空関係の専門家によれば、民営化の成功には空港の活用法を明記した基本ルールが必要だという。そこに委託企業の義務を明記する。これが成功の鍵になる。委託方式ならば、民間企業は航空業務に造旨が深いこと。航空システムの管理技術や運営能力、時間管理に秀でていること。
株式公開を行うなら、資金管理の技術が必要になる。資金調達が容易になり、Infraero時代より資金的に余裕ができ、設備投資も積極的に行える。ガレオン空港トイレが、バス停以下なのは誰もが知る処。
ガレオン空港は、地理的な重要拠点にある。空港の付帯設備が整えば、ビジネスマンはいくらでも増やせる。航空機の離着陸能力を高めれば、外国の航空機を多数招くことができる。
一方、ヴィラコッポス空港は年間、四百万人の乗客を迎える能力がある。しかし、現時点では百万人しか利用していない。ロジスチックがないからだ。