ニッケイ新聞 2008年9月6日付け
サンパウロ博物研究会(博研)は今年三月にあった総会で越村建治さんから、林田瞳さんに会長が交代した。新旧会長が四日午後に来社、報告した。
今後の課題としては、博研の創立者で先月二十六日に九十五歳で亡くなった橋本梧郎さんが収集した資料約十五万点の活用としており、林田会長は(七八年入会)は、「ゆくゆくはインターネットで公開していきたい」としている。
橋本さんがパラナ州グアイーラ市で収集した約千点の資料をもとに書かれた(仮題)「グアイーラ滝の埋もれた植物」の刊行も予定している。五四年から長年にわたり滞在した同地方の植生に関して、ポルトガル語により執筆された遺稿だ。
六二年に入会、約三十年近く会長を務めた越村さんは、「ダムに沈んだセッテ・ケーダス(七つの滝)の貴重な植物の資料となる」と説明する。
林田会長は、「先生に代わる人はいない。寂しくなったけど、頑張って続けていきたい」とし、年二回行っている博研小旅行も続けていくという。
「橋本先生は特別な方だった。これからは資料などを多くの人に見てもらえたら」(越村さん)
現在の博研の会員は約八十人。林田会長は、「資料の整理を手伝ってくれる人や会員を増やしていきたい」と話している。
詳しくは博研(電話=11・2522・8299)まで。