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「3日間で睡眠5時間」=日野原さん(96)元気に来伯=「妃殿下から聞いていた」

ニッケイ新聞 2008年9月5日付け

 「この三日間で五時間ぐらいしか寝ていないが、今、とても爽やかな気持ちだ」。十月四日に九十七歳になる日野原重明さん(聖路加病院理事長)は約七十人の「新老人の会」会員と共に、百周年を記念して四日に初来伯し、飛行場からまっすぐ立ち寄った憩の園での歓迎会で、そう挨拶し、会場に居合わせた約二百五十人を驚かせた。
 「南アメリカに新老人運動を広めるためにきた」と日野原さん。人生の経験から得た過去の教訓を次世代に伝え、若者に人間のあり方を実践して教えることを目的に、七十五歳を越えてなお元気で自立した人を募って、「新老人の会」を二〇〇〇年に設立し、自ら会長を務める。
 八月に二度目の来伯講演をしたばかりの百二歳の曻地(しょうち)三郎さんも、会員の一人。
 七十五歳以下は〃ジュニア〃会員、七十五歳以上がシニア会員。日本のよき文化の伝承と世界平和、自然への感謝などを目的に設立され、現在六千三百人もの会員がいる。メキシコ、韓国、台湾、オーストラリアにも支部があり、今回、ブラジルでも設立にむけた話があるという。
 憩の園を運営する救済会の吉岡黎明会長は「移民百周年、開園五十周年の今年、日野原先生をお迎えできることは当園にとって大変大きな出来事」と歓迎した。
 ニッケイ新聞の取材に対し、日野原さんは「皇室の主治医をしていた時に、美智子妃殿下から憩の園のことは聞いていた」と説明した。
 健康を保つ秘訣はとの質問に、「若い人と交流を持つこと」「歳をとっても新しいことに挑戦すること」「自分はこうなりたいという明確なモデルを持つこと」の三点を挙げた。
 生活上では、一日で千三百キロカロリー程度の食事に抑える。エスカレーターはできるだけ使わず、階段をのぼるなど運動をする。三十歳のときの体重を保つなどを勧める。日野原さんは通常、睡眠は午前二時から午前六時半までで、うつぶせになり、短く深く眠るという。
 日本からの一行は憩の園内を一時間ぐらいかけて視察し、日野原さんはマルガリータ館の庭に白イッペーを植樹した。「これが咲くころにまた見にこなきゃ。百歳になったらまたくるか」と日野原さんは語り、救済会関係者を喜ばせた。
 五日午後三時からリベルダーデ区の客家会館で講演(先着順)するほか、同午後七時からニッケイ・パラセホテルで交流歓迎会(会費百レアル)も。八日はロンドリーナ、十一日午後二時はモジ文協(先着順)で講演会が行われる。