ニッケイ新聞 2008年9月2日付け
ブラジル鹿児島県人会(園田昭憲会長)は八月二十二日、母県から届けられた教本や絵本など二百五十五冊をイタペセリカ・ダ・セーラ日本語学校へ届けた。
午後五時から同校で行われた贈呈式には、生徒・父兄はじめ、同市役所の関係者、同文協や同県人会の会員など約四十五人が集まった。
今回の寄贈は、今年一月に開かれた同県人会の会合の席で「子ども向けの日語本が少ない」「子どもたちに音楽を教えたいが楽器がない」などという意見が出されたのがきっかけ。
園田会長が四月に訪日した際に母県へ依頼したところ、母県側が県出身者の多い「〃鹿児島村〃のためならぜひ」と、国際交流協会を中心に本を収集。「ブラジルの子どもたちの教育等に少しでも役立てば」との思いから職員が自費で寄贈したという。
一方、楽器に関しては、園田会長と兄の園田義人パラグアイ鹿児島県人会会長の尽力により、今年二月に電子オルガンを寄贈している。
関係者が感謝の気持ちを述べた後、園田会長から本を受け取った日語学校の牧山純子先生は「こんなにたくさんの本が届くとは夢にも思いませんでした」と、感謝の意を表し「この本を読み、将来日本へ行きたいという気持ちになってほしい」と、子どもたちへの期待を膨らませた。
園田会長は「本を読んで勉強し、日伯の文化を学び、継承してほしい」と、日伯の未来を担う子どもたちへ激励の言葉を送った。
届けられた本は、子どもたちの手によって一冊ずつ箱から取り出され、本を手にした子どもたちは目を輝かせていた。
式の最後には、同校の生徒と、今年三月に新設されたばかりの幼稚部の子どもたちが、二月に届いたオルガンと一緒に感謝の気持ちを込めて踊りや合唱などを披露。「園田会長さま、鹿児島のみなさま、ありがとうございました」と、子どもたちからお礼の言葉が告げられると、会場からは大きな拍手が沸き起った。
贈呈式後は、会員が持ち寄った料理を囲んでの夕食会が開かれ、和やかな時を過ごした。