ニッケイ新聞 2008年9月2日付け
【サルヴァドール市=堀江剛史記者】バイーア州サルヴァドール市で先月二十九日から三日間にわたり行われた日本文化フェスティバルの初日夜、日本移民百周年を祝う記念式典が挙行された。同フェスティバルの主催団体であるサルヴァドール日伯文化協会(ANISA)の水島ロベルト会長、ジャッケス・ワグネル州知事、渡邉利夫在レシーフェ総領事、州内の日系移住地の関係者ら約百五十人が節目の年を祝った。
サルヴァドール市では、ANISA主催による盆踊り大会が恒例行事となっており、年々来場者を増やしてきた。今年日本移民百周年を迎えるにあたり、イベントと式典を併催、北東伯最大の日系祭を企画した。
コーラスグループによる両国歌の斉唱後、水島会長は、笠戸丸に始まる日本移民と同州への移住の歴史を振り返りながら、「百周年を機に式典とフェスティバルを大々的に行えることを嬉しく思う」と関係者に感謝の言葉を述べた。
サンパウロから出席したブラジル日本移民百周年記念協会の松尾治執行委員長は、六月にあったサンパウロの式祭典、ブラジル内のメディアの報道などに触れ、「ブラジル国民に感謝したい」とスピーチ。
渡邉総領事は、初期移民の苦労に敬意を表し、「距離のある両国の関係を強化するために文化交流の意義は大きい」と百周年を祝うとともに、同祭が無事スタートしたことを喜んだ。
ワグネル州知事は、「大阪に親戚が三十五年間住んでおり、一度訪ねたこともある。日本にはとても親近感を持っている」と親日ぶりをアピール。日系進出企業による同州内での貢献に触れた後、「若い国家であるブラジルに日本移民は多様な文化を持ち込み、伝統として保持してきた。二百年祭もバイーアで祝えることを祈っている」と締めくくり、出席者からは大きな拍手が送られた。
式典後は、日本語学校の生徒らによる「海を渡って百周年」の踊りや、パラナ州ロンドリーナの「一心太鼓」が一糸乱れぬバチさばきを披露し、会場を沸かせると同時に花火が打ち上げられ、会場上空を華麗に彩っていた。
同祭のスポンサー企業であるレアル銀行の中村ミルトン氏は、「日系人が少ないバイーアでここまで百周年を祝うとは」と改めて全伯レベルの祝賀ムードに目を丸くしていた。