ニッケイ新聞 2008年8月30日付け
サンパウロ日伯援護協会(森口イナシオ会長)の定例役員会が二十八日開かれ、来年の同協会創立五十周年記念事業として進める「福祉センター」の建設について、議論が集中した。
建設委員会代表の森口会長は、今年三月に定礎式を行いながらも、市当局からの建設許可が遅れたために、着工が七月中旬にずれこんだと報告。建設地はサンパウロ市リベルダーデ区のファグンデス街。現在、地盤を掘り下げるなどをしている。完工は来年五月の予定。
続けて、施工会社のブラジル戸田建設が毎月一回、写真付きで作業の進行状況を報告する書類を援協に提出することを発表した。
森口会長の報告後、資材や土砂の置き場、事務所の設置場所として、建設委員会が確保した建設地隣の土地の賃借について質問があがった。この土地は、池崎博文氏が所有するもので、同委員会では池崎氏側と毎月五千レアルで借りる話をまとめている。
当初、建設委員会では、池崎氏の関係者に対し、無料での賃貸を求めた。しかし、池崎氏側は毎月一万レアルの賃貸料を提示、これに対し委員会が交渉、最終的に五千レアルに落ち着いたという。
理事の「本当に五千レアルを支払うのか」との質問に対し、森口会長は「先方には何ども催促したが、まだ正式な契約書を援協に届けていない。だからまだびた一文もお金は払っていない」と説明。
続けて説明に立った菊地義治副会長は「戸田建設の人も毎月五千レアルならば安いと話していた」と説明し、理解を求めた。
他の関係者によれば、建設資材置き場などの確保は、その経費を見積り額に上乗せした形で施工会社側がおこなうこともあるが、建設委員会ではそれを求めなかった。委員会独自で池崎氏側と契約したほうが、費用が安いと踏んだためという。
なお他の理事から、二十万レアルの「税金・手数料」を含め、二百七十万レアルかかったとされる建設地の購入について質問があがり、その経緯や一部の購入費の流れなどに関し、森口会長と議論する場面がみられた。