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中平マリ子さんが帰国=滞在100日、94公演終え=送別会で新曲「ありがとう」

ニッケイ新聞 2008年8月27日付け

 歌手の中平マリコさんが、百日間の公演旅行を終え二十一日に日本へ帰国した。十九日夜は救済会やこどものその、やすらぎホーム、希望の家が主催となりモエマ区のレストランで送別会が開かれ、マリコさんより主催四団体へ四万レアルが寄付された。感極まったマリコさんは、駆けつけた約二百人の前で涙を流して別れを惜しみ、新曲「ありがとう」を披露した。
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 「今日を迎えるのは複雑な気持ちでした――」中平マリコさんは、マイクを手にし開口一番に惜別の情を表した。「百日いても疲れ知らず。笑顔でいられるのは、皆様の愛を感じるから」と心を込めて感謝を述べると、会場からは拍手が沸き起こった。
 頃末アンドレこどものその副理事長が司会を務め、主催四団体の理事長らや野村アウレリオ市議らから感謝の言葉が送られた。「日本からブラジルに来た鶯(うぐいす)」という言葉を吉岡黎明救済会会長が贈ると「ムイント オブリガーダ」とアブラッソ。すっかりブラジレイラな振る舞いに会場は笑い声で溢れた。
 「また来年戻ってきてくれるのを楽しみにしている」と与儀昭雄やすらぎホーム経営委員長や岡本ルイスこどものその理事長らが話すと「早く戻って来たい」と笑顔を見せた。
 そして今回のブラジル滞在で販売した約二千八百枚のCD売上金より、四団体へ寄付金各一万レアルを手渡した。マリコさんは「皆様がCDを買ってくれたからできた。私の力では何もできません」と謙虚に話し、四団体から花束や記念プレートが贈られた。
 遅れて会場に駆けつけた森口イナシオ援協会長は「心に楽しみや希望を与えてくれた」と話し、別れを惜しんだ。
 食事後、今ブラジル滞在で九十四回目のショーを披露。「赤トンボ」など童謡や自身が作詞作曲した百周年記念曲「歩みつづけた100年」など、客席の間を一人ずつ目を合わせながら歩き、会場も一緒に歌った。
 途中、笠戸丸表彰を受けたことに言及し「百周年の今年、この賞を頂いて日本へ帰ることに運命のようなものを感じています。日本でコロニアのことを伝えてゆきたい」と涙声。最後に新曲「ありがとう」を披露した。
 歌う前に、サンパウロ市で吉岡会長の家に滞在していたことを述べ、妻初代さん(68)を「私のブラジルの母。ありがとう」と紹介。約九十回の公演に同行した母芙早恵さんにも涙声で感謝を伝えた。
 熱のこもった歌声に、会場は立ち上がって聞き入り、最後のひと時を心行くまで堪能している様子だった。それを眺めながら母の芙早恵さんは、「感無量。心温まるブラジルの滞在だった」と話した。