ニッケイ新聞 2008年8月22日付け
サッカーを通じた交流や地球温暖化に関する理解を深めるため、二十日来伯した日本プロサッカーリーグ所属の清水エスパルスのジュニアユースチーム一行が同日正午過ぎ、サンパウロ市内の静岡県人会会館で、会員らとの歓迎昼食会に参加した。
一行は、十四歳以下の選手とコーチ陣、日本から同行した取材陣含めて約二十五人。ブラジルに到着したばかりにも関わらず、選手らは疲れも見せずに元気一杯な様子で、県人会が用意したおにぎりとシュラスコをお腹一杯に食べていた。
松浦アントニオ副会長は「ブラジルはサッカー王国。将来、日本代表の選手になって活躍できるよう一生懸命技術を学んで日本に帰って欲しい」と歓迎。同チームの伊達倫央育成部部長は「異国の地で郷土の先輩が頑張っていられることを子ども達も感じ取ることと思う」とあいさつした。
同県人会理事で、トレードマークの真っ赤なシャツを着た山本茂さん(81、旧清水市出身)は、「若い君らはアメリカにかぶれず、大和魂を忘れず、日本人として誇りをもって欲しい」と力強く激励した。
昼食会に先立ち、一行はサンパウロ市内のブラジル三井住友銀行会議室で、地球温暖化と排出権ビジネスについて学んだ。昼食会には、ブラジルの日本人駐在員子弟によるサッカーチーム「ムサシ」の子どもらも参加した。
チームのキャプテン、石毛秀樹くん(13、静岡県冨士市)は「歓迎会を開いてくれてうれしかった。個人技のうまいブラジル選手のテクニックを学んで帰りたい」と意欲的に話していた。
一行は同日夜、南リオ・グランデ州ポルト・アレグレ市に向かった。CERAN社の水力発電所を見学するほか、同市の名門サッカーチーム、インテルナシオナルのホームスタジアム内の宿舎に滞在し、二十三日、ブラジル側のクラブの少年チームと交流試合に臨む。二十六日まで滞伯。