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国内資金調達が30%増=国際金融不振の煽り=好調経済で資金難に=大手4行の調査で判明

ニッケイ新聞 2008年8月19日付け

 国際的な金融引締めと新株発行難から、国内大手企業が金利高に関わらず国内の金融機関から資金を調達、上半期の融資残高が昨年比三〇%増の一千八百三億レアルに達したと、伯銀やブラデスコ、イタウー、ウニバンコなど大手四行は十六日、発表したことを十八日付けエスタード紙が報じた。これは経済成長が進む一方で、運転資金の調達に苦慮したものと予想される。
 国際金融クレジットが三六%減少したため国内大手企業が、つなぎの資金ショートを起こしている。国内での資金調達は、産業構造の変化を意味する。企業は確定利付き資金を得るため、約束手形を発行している。
 新株の発行には国際金融が、米金融危機の深手から立ち上がれない経済環境を考慮し食指を動かさない。上半期の決算を締めて、ブラジルの金融界は大きな変化を感じた。国内では順調に経済が伸び、設備投資とIPO(新株上場)で資金需要が急増している。
 国内金融は上半期、新株を引き受けたのが四社に過ぎない。これは昨年同期比で、四四・五%の減少だ。多くの企業は昨年、新株を発行し調達した資金を使い果たしたのだ。さらに設備投資を行うため、どこも資金を必要としている。
 銀行のポートフォーリオ(証券リスト方式)は、高金利だが即時対応だ。これは個人企業が、高利貸しから借りてつなぎの穴埋めをするのに似ている。融資は一年から三年期限で借り、国際金融が好転してから新株発行で決済する考えだ。
 公共工事では、このケースが多い。〇七年の入札は、運転資金に多額の手持ち金を要求。水力発電所など次々、公共工事の入札予定があったからだ。企業も複数の工事落札に賭けていた。
 企業が国内の資金不足のため、高金利の資金をもかき集めた形跡がある。銀行の調査によれば、投資家は殆ど、基本金利がたとえ一五・二五%に上がっても国債を購入しないで、約手取引に投資が集中した。
 国内は基本金利引き上げと銀行金利上昇で、国際金融とは逆の現象を呈した。格つけ二社が、ブラジルに対して有望国とランクしたのに、新株引き受けを渋っている。これは戦場で、宝くじの当たりくじを貰ったようなものといえそうだ。