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〃詐欺師ヤマモト〃 ついに御用=「天皇陛下のいとこ」などと偽り=被害2500件、総額10万レアル=〃詐欺ノート〃も押収

ニッケイ新聞 2008年8月16日付け

 実在しない日系団体の代表者や天皇陛下のいとこなどと称し、コロニアから金を騙し取ってきたあの〃詐欺師ヤマモト〃がとうとうお縄にかかった。伯メディア等の報道によると、本名=山本ロザリオ・カズアキ(60)容疑者は、移民百周年の基金づくりなどとの理由で、日系企業や団体などから百~二百レアルの寄付金を騙し取った疑い。犯行は十年間で二千五百件にも及び、総額十万レアルにのぼるという。
 十四日午後二時半頃、サンパウロ市東部ビラ・リッカ区のバレイラ・グランデ街道を歩いているとき、警察が容疑者の身柄を拘束した。多くの被害者の通報を受けた捜査当局が、一カ月ほど前から容疑者の尾行を続けていた。
 調べによると、山本容疑者は、偽の日系団体の会員証を使い、大サンパウロ圏内を中心に詐欺を繰り返していた。警察の調べに対し、「ここ十年間は詐欺で稼いだ金で生活していた」と供述。合わせて被害者の名前と電話番号をぎっしりと記した自前の〃詐欺ノート〃が見つかったという。
 同容疑者は今年四月ごろにも、サンパウロ市セアザの日系人を回り、「皇太子殿下が出席なさる昼食会に参加する費用に」と騙り、百レアルずつをだまし取っていた。〇三年にも、文協や援協の名前を騙って寄付金を集めていたほか、今年三月にも「グアルーリョスに日本公園を作る」として、寄付金百レアルをだまし取るなど、本紙でも度々注意を呼びかけてきた。
 グローボなどの報道によれば、日本語とポルトガル語に堪能なことで知られ、日本に暮らしていた時も、同様の手口で詐欺を働いていたという。ある日系人女性の被害者は「日系コロニアはみんな彼のことを知っていた。インターネットに写真も掲載されていましたから」と話している。
 報道によると、山本容疑者は逮捕後、体調を崩し、救急診療所に連れて行かれた。
医者らは心筋梗塞の兆候があると話しているという。