ニッケイ新聞 2008年8月13日付け
ブラジル日系老人クラブ連合会(重岡康人会長)は九日午前八時半から、ブラジル文化福祉協会大講堂で「第三十二回老人クラブ大会・芸能祭」を開催した。あいにくの空模様で冷え込んだにも関わらず、約九百人の観客が詰め掛け、一日を楽しんだ。
午前と午後に分けて行われた芸能祭では、サンパウロ市近郊アチバイア市やカンピーナス市からの参加もあり、民謡や個・団舞など約六十七種目で日々の練習の成果を競い合った。今年の最高齢者となった斎藤房江さん(95)は、民謡を元気よく歌い上げ、会場から大きな拍手が送られた。
午前十時二十五分から行われた開会式には、後藤猛在サンパウロ領事や千坂平通JICAサンパウロ支所長、田中エミリア文協副会長らが列席。
先亡会員への黙祷、老人クラブの歌斉唱に続き、重岡会長は「多くの方々からの支援によって、今年も開催できた事を嬉しく思います」とあいさつ。その後、今村幸敬老金が九十二歳以上の百二十人に贈呈された。
敬老金受賞者を代表して壇上に上がった林寿雄さん(97)は、「みなさんを代表して、厚く御礼申し上げます」と、感謝の意を表した。
同会百周年記念事業の一環として行われた創作選集の入選者も発表され、俳句、短歌、川柳、随筆、自分史の五部門で、各三人の入選者一人一人に金一封が贈られた。
今回の創作選集へは、五部門合わせて約百二十点の作品が寄せられた。全ての作品は一冊の本にまとめ、今年中に発刊する予定だという。
川柳で一位に輝いたレジストロ在住の大岩和男さんは、「とても名誉な事で嬉しい」と、満面の笑みを見せた。
式典の最後に行われた永田久氏の「長生き」についての講演会では、「長生きするためには、生きがいを見つけ、頭を使い、友達をたくさん作る事」と、自身の経験をもとに長生きの秘訣について話した。会場からは「ユーモアがあって分かりやすかった」、「肩がこらない話で面白かった」という声が聞かれ、笑いが起るほどの盛況ぶりだった。
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内海博老ク連副会長は「天候が悪く、出足は悪かったが、たくさんの方に来ていただいて盛会に終えることができた。今年は移民百周年という区切の年ということでやることは全てやった」と振り返り、「来年は第一歩から、新たに充実した催しをしていきたい」と今後への意気込みを見せた。
芸能祭を観に来ていた岡本香代子さん(77、高知県)は「以前から比べると寂しくなったが、出場している友達をみるのは楽しみ」と語った。玉井邦子さん(97、静岡)は「みなさんの元気な姿をみて、自分も元気になる」と、舞台で行われている民謡や踊りに見入っていた。
この他、大講堂前のサロンで催されていたバザーでは、会員手作りの食糧品や新古衣料品、古本、ビデオテープなどが販売され、順調な売れ行きをみせていた。