ニッケイ新聞 2008年8月9日付け
サッカーを通じた若手世代の日伯間の交流や地球温暖化問題に関する理解を深めるため、日本プロサッカーリーグ所属の清水エスパルスのジュニアユースチーム(U-14、本拠地・静岡県静岡市)が二十日から二十六日まで来伯する。
南リオ・グランデ州ポルト・アレグレ市にある名門サッカーチーム、インテルナシオナルのホームスタジアム内の宿舎に滞在し、二十三日に同スタジアムで同チームほか有名サッカークラブの少年チームとの交流試合に臨む。
来伯初日にはサンパウロ市で、排出権ビジネスを展開するブラジル三井住友銀行主催の地球温暖化セミナーほか、静岡県人会との交流に参加。移民史料館も訪れ、同県に集住している在日ブラジル人のルーツや背景を学ぶ。更にCERAN社の水力発電所も見学する予定。
株式会社エスパルスは今年一月、日本プロスポーツ界で初めて、カーボンオフセットクラブ化を宣言。二酸化炭素排出権購入に関し、三井住友銀行と契約を結び、マットグロッソ州のアラプセル・インディアヴァイ株式会社小水力発電プロジェクトから、二酸化炭素排出権千八百トン分を購入済。これは、ホームゲーム開催時にスタジアムで発生する五年分の二酸化炭素量に相当するもので、最終的には日本政府に譲渡される。
清水エスパルス広報担当のうまごえ尚子さんは「サッカーを通じてブラジルの方々と交流を深められること、そして地球環境に貢献できることはサッカークラブとしてこんなに嬉しいことはない」と話している。
先月三十一日、同事業を手掛けるブラジル三井住友銀行地球環境部部長の内田肇さんと日系旅行会社サクラツールの吉原正浩代表取締役社長が来社。内田さんは「日本のスポーツチームが環境問題に目を向けるのは当然の時期に来ている」と述べ、同チームの取り組みを画期的と評価した。