サンパウロ市南部サントアマロ地区のドウトール・ルイス・アローバス・マルチンス州立小学校が、小学校5年生の基礎教育開発指数(Ideb)で8点(10点満点)を取得し、サンパウロ州の州立校では最高の評価を受けた。15日付のアゴーラ紙が同学校の取り組みを紹介している。
5年生のIdebの評価は全国平均が4・9、サンパウロ州立校平均が5・7という中で、8点という数字は抜きん出ている。保護者の介入、教師の継続的な指導、継続した教員の養成、民間団体との協力、生徒一人ひとりが必要とするものに応じたケアなどが高評価のカギのようだ。
教員の一人のマルタ・トクダ・ピコニさん(48)は、教員が長年団結して仕事をしているという事実が肯定的に働いている、とみる。同校勤務歴12年で定年までずっと働くつもりだ。「現在の生徒の上の兄弟も教えてきたから、子供の家族も知っている。初等教育はまだ成果を生みだせる仕事」と語る。
また、2008年からは公立学校と民間企業のサポート関係を促進する非営利団体「Parceiros da educacao」の協力も受ける。同団体のルシア・ファベーロ事務局長は、「多額の投資が必要な国語と数学の教師育成に貢献し、支援している」と説明する。継続した教員養成プログラムのほか、コンピューター室や読書室、実験室への投資も行う。
Idebは教育省の国立教育研究院(Inep)が、2007年から2年毎に発表している指数で、生徒の国語と算数のテストの点数や進級率などが評価される。
私立校に通わせていた息子を2年前に同校に転校させたウェブマーケティング・アシスタントのパトリシア・バリさん(28)は、「息子は前の学校より授業をよく理解できているみたい」と満足する。同じく保護者のリカルド・ブリットさん(34)は、「ここの先生は個々の生徒の様子をよく見てくれている。多くの学校では、子供が不機嫌そうにしていても誰も気にも留めない。そこが他の学校との違い」と話している。