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ブラジル・サッカー界に新星=20歳のエース、タリスカ

 16年のリオ五輪、18年のロシアでのワールドカップでの優勝を狙いたいブラジル・サッカー界に12日、良い知らせが届いた。ポルトガル・リーグの強豪ベンフィカで現在活躍中のアンデルソン・タリスカが、対ヴィトーリオ・セトゥバル戦で3得点をあげ、ハットトリックを達成したというのだ。
 タリスカは1994年2月1日生まれで、まだ20歳の若さだ。この7月までは全国選手権1部のバイーアでプレーし、下位に低迷するチームの中でエースとして立ち、チームを牽引していた。タリスカはかねてから五輪代表の有力選手としてメディアから注目され、特にセレソンが今年のW杯でドイツに惨敗したあとのサッカー・メディアが組んだ「W杯次回大会の注目選手」と銘打った特集では必ず名前があがっていた1人だった。
 そんなタリスカは、60年代にペレのライバルとして知られた名選手、エウゼビオを生んだことでも有名なポルトガル一の名門チーム、ベンフィカに加入。8月からはじまったリーグ戦では、早速センターフォワードやトップ下という、攻撃の軸をまかされていた。
 開幕3試合は得点できない状況が続いていたが、4試合目となった12日の試合で前半の37分に1点を決めると、その6分後に2点目、後半9分にも3点目を決め、20分足らずで一気にハットトリックを達成した選手として、一躍有名になり、ポルトガル・リーグでの知名度を一気にあげた。
 タリスカの活躍は欧州の他の国にもすぐに知れ渡った。近年、ポルトガル・リーグの好選手はスペインやイングランド、ドイツのチームに数多く移籍しており、注目度が高まっているからだ。特にポルトガル出身で、現在イングランドの強豪、チェルシーを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は「労働許可さえ出れば、彼はいつでもイングランドに来てプレーするよ」と早々と獲得に関心を示している。チェルシーにはオスカールをはじめ、4人のブラジル・セレソン選手がいる。
 こうして、セレソン的にも期待できる名前になりつつあるタリスカだが、気になる話もある。それは彼が、2013年の夏以来、16年五輪を見越したジュニアのセレソンから招集を受けていないからだ。
 タリスカのハットトリック後、一部のメディアがこの謎についての記事を出しているが、それによると、タリスカが召集されないのは、13年夏に召集を受けてフランスの大会に出場した際、チームの団体行動として博物館を行くのを渋り、ホテルに残ったからだと報じている。
 この噂に関して、ジュニア・セレソンのアレッシャンドレ・ガロ監督は「あくまで技術的な問題」と否定しているが、チームの中心的存在になりうる人材だけに、今後の動向が注目される。
(15日付オ・グローボ電子版ならびに13日付レコルデ電子版より)