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文協で日本国外務大臣表彰=百周年記念で80団体・個人に

ニッケイ新聞 2008年8月6日付け

 日伯交流年・日本人ブラジル移住百周年を記念した外務大臣表彰の授賞式が一日午後三時から文協大講堂で行われた。百周年の節目にあたる今年は、ブラジル国内で百三十五の団体・個人が受賞。この日は在サンパウロ総領事館管内で受賞した八十の団体・個人に表彰状と記念品が手渡された。
 同表彰伝達式には、上原幸啓文協会長、与儀昭雄県連会長、森口イナシオ援協会長、田中信商議所会頭、重岡康人老ク連会長、千坂平通JICA聖支所長など来賓をはじめ、受賞者や家族など約三百六十人が訪れた。
 西林万寿夫総領事は外務大臣表彰について説明した後に、「日伯の友好親善及び発展に貢献し、並々ならぬ功績をあげている人々に表彰と記念品を渡せるのは私の喜び」と感想を述べ、「豊かな経験と知恵を用いて、それぞれの立場でご尽力を賜りたい」と日伯両語であいさつ。
 続いて受賞者一人一人(七十七人出席、代理を含む)に対して、高村正彦外務大臣からの賞状の中身を読み上げ、記念品を手渡して、しっかりと握手を交わした。
 受賞者を代表して多羅間俊彦文協副会長(元東京都友会会長)は「日系人は、ブラジル社会の中で力強く生きている。ささやかな足跡に、表彰してくれた外務大臣、西林総領事に心より御礼を申し上げます」と喜びを噛みしめた。
 最後に、来賓と受賞者たちの記念撮影が行われ、大講堂前のサロンで歓談が行われた。

外務大臣表彰=受賞者喜びの声

 ドウラードス市で日本語教育、日系社会の発展に貢献した南マット・グロッソ州日伯文化連合会会長の小野享右さん(75、岡山)は「これは、みんなが力を合わせて頑張った結果。連合会一体でもらったもの」と喜びを噛みしめた。
 モオカ区のサンパウロ州移民博物館館長を務めた樋口・木村・緑さん(70、二世)は「私たちの世代は女が勉強するなんておかしな時代だったけど、父親が勉強させてくれたおかげ。今回の受賞は父親や夫、家族のおかげ」と笑顔を浮かべた。
 駒形秀雄エリオさん(74、新潟)は元丸紅ブラジル会社取締役として、約五十年間、日伯間の貿易業務に携わってきた。「ブラジルでの日本人は農業に関係した人たちが評価されてきた。今回受賞したことにより、商工業分野で頑張り、伯社会で認められたことが嬉しい」と感慨深げに語った。
 元レジストロ文協会長、同市議を務めた那須野英男さん(78、二世)は同地で日系社会の発展に貢献した。「レジストロ市全体でもらったもの。本来はレジストロのみんなと一緒にもらいたかった」と感想を述べた。
 グアタパラ文化農事協会は団体としての受賞。川上淳同文協会長は「今年はこれからの百年を目指した折り返し地点。(今回の受賞は)先駆者のおかげ。わが移住地はこれからの出発点として、激励の言葉として胸に刻んでいく」と力強く語った。
 退役軍人で、元ブラジル航空宇宙センター理事長のペドロ・フラゾン・デ・メディロス・リマさん(85)は親日家として、サンジョゼ・ドス・カンポスの日系社会に貢献してきた。「日本語が分からないけど、日本が大好きで、同地の日系社会に関わってきた。オメナージェンされたことは誇りに思う」と満面の笑みで語った。
 西谷博さん(89、鳥取)は、郷土の鳥取傘踊りをブラジルに広め、カルモ公園に桜とイッペーを植樹してきた。「コロニアには、差しあげたい人が多くいるはず。その中で受賞できたことは、何か社会に貢献できたのだと思う」と顔をほころばせた。
 援協に長年協力し、兵庫県人会会長を務める尾西貞夫さん(65、兵庫)は「長年援協に協力してきたことが評価された。年齢が若いのに、百周年を記念した時にもらえたのがありがたい」と嬉しそうに話した。