ニッケイ新聞 2008年8月6日付け
サンパウロ管内では六十二人の個人が外務大臣表彰を受けたが、そのうち非日系人は七人のみだった。受賞者の中には「これだけ、百周年の年にブラジル中でお祝いしてもらったのだから、もう少し非日系人を表彰しても良いのではないか」との意見も。
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外務大臣表彰受賞者の中には、元カルドーゾ大統領の夫人で去る六月二十四日に亡くなったルッチ・ヴィラッサ・コレイア・カルドーゾさんの名前もあった。本来、故人は対象外になるはずだろうが、今回は、西林総領事が事前に関係者に直接手渡したのだそう。
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四日午前、サンパウロ州カラピクイーバ市であった日系家族強盗監禁事件で、犯人グループに五時間にわたり拘束されたスーパーマーケット店主オカツさんは、「お客さんが待っているから」と、事件当日の午後から早速仕事に戻ったという。弟のタダシさんも事件後、「私たちが生きる唯一の術はここで暮らすこと。引っ越すつもりはまったくありません」と話したとか。この一家、ここ五年間に四回強盗に遭っているというから、なんとも逞しい限り。
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中南米初となる「ヒロシマ・ナガサキ展」が移民博物館で開催されている。中南米には核保有国はないが、世界の情勢を見ると、核廃絶にはほど遠い状況。同展のオープンニングでは、世界百三十カ国・地域、約二千三百の都市が加盟、広島市が会長を務める「平和市長会議」にサンパウロ市も参加することが発表された。経済ばかりが取り沙汰される日伯関係だが、平和運動でも日本としっかりとした提携を結んでほしい。今日は六十三年目の「広島・原爆の日」―。