ニッケイ新聞 2008年8月6日付け
沖縄県人会ビラ・カロン支部の創立五十周年記念誌が完成し、先日祝賀パーティーが催された。
五百二十数ページ。県人会支部の記念誌としてはかつてない規模だ。銀行などの支援があったとはいえ、やはり県系社会の力強さを感じさせる。
同地に沖縄県人が住み始めたのは戦後のこと。半世紀で国内最大の支部に育つまでには、先駆者の努力に加え、ボリビアやカッペンなど奥地からの転住者と共に地域全体で歩んできた歴史がある。縫製や金物など県系企業のグループが同地から始まっていることはその一例だろう。
同書では一部をポ語訳、さらに漢字にふりがなをつけた。二、三世たちの要望だったそうだ。「自分たちは平仮名、カタカナなら読める。先人の心を知りたい」と。
歴史を伝えていきたいという次世代の思い。それは記念誌完成と同じくらい意味あることかもしれない。(ま)