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国税庁新長官、初仕事はカメロー合法化=格差是正に賭ける=所得税の累進課税が理想=行政簡略化が減税への道

ニッケイ新聞 2008年8月5日付け

 新しく就任した国税庁のリーナ・M・ヴィエイラ長官は二日、個人の所得税率を引き上げる意向表明と四日付けフォーリャ紙が報じた。「これは格差是正を求める市民の声であり、PT(労働者党)の基本方針だ」という。所得税率は二つ、低額所得税と高額所得税。小切手代替税のCSS(保健税)は、〇・〇〇〇一%に。
 所得税は、累進課税にすべきと新長官はいう。所得格差是正の税率改正は毎回、国税庁首脳部で握り潰されてきた。反対派の頭領が七月三十一日、辞任したラシジ前長官であったようだ。
 脱税防止のために完璧ではないが、小切手代替税は必要という。これは出入交差を調べる管理目的だ。それに財務相の特別注文で、システムの簡略化を執行するから議会との摩擦は十分覚悟していると述べた。
 次は記者会見での供述。税務管理の当初は理詰めであったが、一国の財布を預かるには、取り立てるばかりでなく納税者の立場も考慮して大部屋の経験が必要だと悟ったというのだ。
 要領よく世渡りする者と純朴な市民を選ぶなら、後者の味方となって雌ライオン役を演じる。ブラジル人は、必要な金が空から降ってくると思っているらしい。税金を払って稼ぐという文化が、ブラジルに根付く必要があるという。
 減税の道は、行政の簡素化と簡略化にある。これは、国民に支持される政府となる手段だ。その第一が、免税者の所得税申告の廃止。第二が行政の応対改善。第三が、分かりやすい国家。全ての国民に、全ての商売で門戸を開くことが必須。
 初仕事は、北リオ・グランデ州で試み成功した「市民税」を全国で設置することだ。全てのテキ屋や露天商に、商売ができる権利を与えるためで、月商三万六千レアル以下は、商品流通サービス税(ICMS)を免税。従来のME(零細企業)の一段下にMEI(極小企業)を設ける。
 MEIで使用人を持たない個人営業のカメロー(行商人)などを、合法化する。監督官の目を恐れて、キョロキョロしなくてもよい。目こぼし料を払わなくてもよい。なけなしの商売道具を没収されることもない。