ニッケイ新聞 2008年8月5日付け
ブラジル日本語センター(谷広海理事長)が主催する「ふれあい日本の旅」が先月実施された。二年ぶり、百周年を記念した今回の旅には四十三人の日本語学習者が参加し、約一カ月間、日本各地を訪れた。団長をつとめた日下野良武さん(同センター副理事長)は訪日を振り返り、「今回参加した子供たちが、将来の日伯をつなぐ役割を果たしてくれれば」と期待を表した。
「ふれあい日本の旅」は、十五歳前後の日本語学習者に対して日本を体験してもらうことを目的に実施されており、今回が二回目。
四十三人の子供たちは六月三十日から七月二十四日までの約一カ月間日本に滞在し、様々な体験をした。
今回の旅では、関東、中部、関西、中国、九州など日本各地を訪問。熊本や名古屋などでは、関係者の家でホームステイも行ない、日本の文化、生活に親しんだ。
また、神戸の旧移住センターやメリケン波止場、横浜のJICA資料館などでも、移住についての勉強を行なった。
二十三日には、秋篠宮文仁親王一家とのご接見が行われ、文仁親王をはじめ、紀子親王妃、眞子内親王、佳子内親王も同席された。
団長をつとめた日下野良武さんは、「ご接見では参加者全員と握手され、一人一人に挨拶していただいた」と振り返る。
また、「子供たちはホームステイをしたことが一番の印象に残っているようだった。新幹線などにも乗り、日本文化に直に触れられて良かった」と感想を語った。
今回の旅行は百周年ということもあり、訪問した各地の新聞で取り上げられるなど、注目を集めた。日下野団長は「我々大人たちが作った基盤から、新しい交流が生まれていってほしい」と希望を口にした。