ニッケイ新聞 2008年7月29日付け
「第六回ブラジルYOSAKOIソーラン大会」(ブラジルYOSAKOIソーラン協会主催)が、二十七日にビア・フンシャルで開催された。今年は北はマナウス、南はクリチーバから集まった計十八チーム、そして特別出演の「グルッポ・サンセイ」の約六百五十人が参加した。グランプリに輝いたのは、平成学園の小原あや先生が率いる「平成なるこ会」。会場は出場者の家族や旗を持った応援団らで賑わい、それぞれの特色を持ったYOSAKOIソーランに盛り上がった。
「今年はレベルが高い―――」。浜崎マルセリーノ実行委員長をはじめ関係者が口を揃えて言うほど、ブラジルのYOSAKOIソーランのレベルが上がってきたことが示された大会となった。振り付けはもちろん、音楽もYOSAKOIソーランお馴染みのものから、独自に途中で編曲を加えガラリと雰囲気を変えたもの、アップテンポのものから演歌風のものと、それぞれ工夫を凝らし、YOSAKOIソーランの奥深い魅力が披露された。
「去年出たチームも確実にレベルを上げてきていたし、今回初出場のチームもかなりレベルが高かった」と、YOSAKOIソーランの指導を専門にしている嶌原まさ子JICAシニアボランティアは、驚きを隠さない。各チーム試行錯誤しながらそれぞれ練習を積み、一年に一度のこの大会に向けて改良を重ねてきた結果だ。出場者たちが「ハーッ」という気迫の掛け声とともに、笑顔で最後のポーズをきめると、会場は声援と拍手に包まれ、出場者たちの努力に労いの言葉を掛けているようだった。
「皆さんで踊りましょう」という嶌原さんの掛け声で、会場の老若男女の観客は総立ちとなり、舞台袖に集合した出場者たちと一緒に曲に合わせて踊り、盛り上がりは最高潮に達した。そして、大人の部と子供の部のそれぞれ入賞三位と、グランプリが発表された。
グランプリに名前が呼ばれた「平成なるこ会」の総勢二十九人は、歓喜の声を上げ飛び跳ねて喜びを表し、涙を流しながら仲間と抱き合い、会場はそれを祝す温かい拍手と「平成」コールで包まれた。全員がステージに上がり、トロフィーと賞金が手渡され、喜びのうちにグランプリの踊りが披露され、第六回YOSAKOIソーラン大会は閉幕となった。
「みんながんばってくれたから」と小原あや先生は笑顔に涙を浮かべながらそれぞれの健闘を称え、「先生ありがとう」と言う生徒たちと抱き合った。嶌原さんは「小原先生の、いろんなものを研究・吸収する熱心さ」が今回のグランプリに繋がったと話し、「来年はどんなことになるのかな」と、レベルが上がってゆく本大会に期待を込めて語った。なお、入場の際に一人あたり二キロずつ集められた砂糖やチョコレート、米、豆などの食料は、慈善団体に寄付される。
大会結果は次の通り。【グランプリ】平成なるこ会【大人の部】一位=前進ニッポーカンピーナス、二位=レキオス芸能同好会、三位=バストス婦人会【子供の部】一位=平成なるこキッズ、二位=トモダチ・デ・ビリグイ、三位=ビリチーバ・ミリン日本語学校