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金本金利を大幅上昇=インフレ輸入に消化力を

ニッケイ新聞 2008年7月25日付け

 インフレ懸念が深刻化したことで、中央銀行の通貨委員会(Copom)は二十三日、基本金利(Selic)を一挙に〇・七五%と大幅に上げ、年利一三%とした。
 〇・五%引き上げと踏んでいた金融市場は、中銀決定に少なからず驚いた。インフレ目標六・五%内に止めるため、中銀は思い切った策を採ったらしい。これで経済成長率は、三・五%以下に落ちそうだ。
 短期的には消費や直接投資の冷え込みが予想されるが、急激な変化はない。十年間隔で景気動向を見る海外投資が伸びれば、直接投資の冷え込みを挽回できる。
 中銀は九月、もう一回基本金利を〇・七五%引き上げるらしい。二〇〇九年のインフレを考慮し、先手を打つようだ。これで先物金利の一五%と大差がなくなった。
 基本金利引上げに対する金融市場の反応は、金融市場の見方と先物市場の見方で二分した。中銀は市場物価に現われたインフレでなく、投資家がシフトする予想インフレを懸念したという。
 金融市場では、予想インフレへの投錨という。投機家は幻想インフレを設定し、予想に仕立てて先行投資を行う。予想は徐々に、現実性を帯びて利益につながる。
 次回のCopomは九月九日、年末のSelic一四・七五%で二〇〇八年を締めるため、徐々に引き上げるらしい。一方、インフレで神経質になるあまり、経済成長を犠牲にしているという意見もある。 
 懸念するインフレは、国内の需給関係で生じるインフレではなく、国際的なインフレを輸入したものだという。国際インフレの原因は米国の政策金利だから、外的インフレを消化できる経済環境をつくる必要がある。