ニッケイ新聞 2008年7月25日付け
レジストロ郡内にある州道139号線の交差点に建設中の「百周年記念塔」が形を現している。落成式は九月初めの予定だ。山村敏明リベイラ地区百周年祭実行委員長によれば、塔は対ブラジル、対日本、および同地域の町々同士の友好のシンボルである。
【レジストロ】最初に日本移民がサントスに上陸した「移民の日」を中心に、ブラジルでは約一週間、国、州、町をあげて官民、日系人が一体となりブラジル日本移民百周年を祝った。
多くのテレビ局が皇太子殿下のご来伯を始め、式典や記念行事の模様を全国に大々的に放映した。ブラジル各地で、まだ百周年の記念行事が続いている。
レジストロでは、サンパウロ州道SP139号線とクララ・ジアノッチ・デ・ソウザ大通り交差地点のロータリーに、日本移民百周年のロゴマークを形どった記念塔を建設中である。「百周年記念塔」建設委員兼建築士、高橋国彦さんのプロジェクトである。
ブラジル、日本両国の国旗をモチーフに折り紙風で、両手に支えられたトロフィーにも見える。片方の手はブラジル人の手、もう一方の手は日本人の手で二つの民族の友好、協調を表している。
コンクリート製で高さは十メートル、重さは約三十トンである。最初は錆びない鋼鉄版で製作の予定であったが、経費がかさむことと、その材料で直径二メートルの大きな二つの球を作ることは至難の業、結局、コンクリート製にすることにした。
この記念塔の建立は、昨年の初め三十四の日系団体が加盟する聖南西、リベイラ沿岸地区の合同会議で決定したもの。この地域で最も古い日本人の移住地、「日本人ゆかりの植民地」の称号を持つレジストロに記念塔を建立することに満場一致で決めた。
レジストロ市からセッテ・バラス市を通って、サンミゲル・アルカンジョ、ピラール・ド・スール、イタペチニンガ、カッポン・ボニートに通じる聖南西の玄関口に位置する場所として選ばれた。
この「ブラジル日本移民百周年記念塔」は完成間近いが、落成式は九月六日に予定されている。同日、聖南西(サンパウロ州南西地区)とリベイラ沿岸地区日系団体が主催で記念式典、合同先亡者慰霊追悼法要、記念塔落成式、神戸で点火された「友情の灯」の市内リレー、千人の生徒によるコーラスなどなどが催される予定だ。
この記念塔建立について、山村敏明・聖南西・リベイラ沿岸地区日系団体・ブラジル日本移民百周年祭実行委員長は次の様に語っている。「このモヌメントは、日本移民百周年を迎えた今、ブラジル、日本の友好のシンボル、また聖南西リベイラ沿岸地域の友好の証しでもある。両国が共存共栄して益々発展し、これから始まる新しい百年に向けて、若い世代に平和な世界を残したい」。(金子国栄さん通信)