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サチアグラハ作戦=連警会議の録音記録公開=捜査官は任意辞任=大統領命令で圧力否定へ=枝を落して木を枯らせる

ニッケイ新聞 2008年7月19日付け

 連邦警察は十七日、サチアグラハ作戦のケイロス主任捜査官が辞任に至った連警幹部会議三時間の録音記録を四分だけ公開と十八日付けフォーリャ紙が報じた。連警は辞任が本人の任意であって、圧力ではないと示唆した。記録公開は、ルーラ大統領とジェンロ法相、メネゼス連警臨時長官によって決められた。
 辞任が任意か圧力かは、四分の録音記録では説明不十分である。連警は録音に極秘事項もあり、全巻公開ができないという。記録公開は、政府判断に偽りがないことを証明するためにとの大統領の命令で行われた。
 ケイロス捜査官は、聴講中の捜査講義に専念するため同作戦を中断する考えであった。講義が一段落した時点で、大統領の要請通り作戦の仕上げを行うという。しかし、連警幹部は同捜査官の前任務復帰を拒んだ。
 同捜査官は、公開された録音記録が一部捏造されたという。会議は組織犯罪課長の進行で、同捜査官と二人の補佐官更迭決定から始まった。連警捜査手法の誤りで責任の所在追求を行わず、捜査官の更迭で決着する考えであったようだ。
 一方、最高裁長官に対決を挑んだサンクチス地裁判事は、ほとぼりが冷めるまで休暇を取るらしい。最高裁長官は、同判事が発行したダンタス容疑者の拘束令状コピーを監察局へ回し、裁判記録の検閲を命じた。
 同判事は、背後の動きと一連の包囲網を意識した。ブラジルの司法制度では判事の権限が保障されているが、同判事の存在と審理を不都合とする組織の影がつきまとった。判事に脅迫はつきもの、脅迫が怖くて判事は勤まらないという。
 国会は最近、刑法一一・八六九号と一一・六九〇号を承認し、連警にタガをはめた。その結果が、ケイロス捜査官の更迭であり、サンクチス判事の出した拘束命令の取り消しであったらしい。同令は盗聴有効期間を三十日間と定め、それ以後の盗聴による証拠は無効となった。
 背景が見えないまま世間を騒がせたオポチュニティ銀行は、ハードディスクを押収されて四年になる。同行の話によれば、押収されたディスクの内容はブラジル国内の取引きだけ。タックス・ヘイブンの記録は、健在である。なんとも腑に落ちない話である。