ニッケイ新聞 2008年7月11日付け
【モンテビデオ】比嘉照夫博士(国際EM技術研究所所長)は、去る六月二十四日、ウルグアイのモンテビデオにある国立技術研究所(LATUで、有用微生物群(EM)普及のための講演をおこなった。比嘉博士そのなかで「このままこの技術が普及されれば、当国は世界のモデル国家となる」と目標を示した。
主な出席者は、在ウルグアイ大使館の竹元正美大使、ミゲル・ブレッシャーLATU理事長、ファン・ホセ・タコネ米州開発銀行(IDB)ウルグアイ事務所所長、ホルヘ・ソレル、オイスカ・インターナショナル・ウルグアイ(OISCA―URUGAY)理事長ら。聴講者はおよそ二百人だった。
始めに竹元大使は「世界的な食料問題や環境問題を抱える中、環境保全、持続可能な農業生産力の増加を図ることは、輸出国であるウルグアイにとっても重要な課題である」と論じた。「EM技術は、比嘉博士により、開発されたものであり農業、環境などの分野で効果を発揮している」と評価。「日本政府は、〇五年より、同技術を利用した小規模農業生産者に対するプロジェクト(被供与団体・OISCA―URUGAY)に対して無償資金協力を、おこなうとともに団体による新しい企画に対し、IDBの日本特別資金による支援がおこなわれている」と説明し、セミナーを通じて更なるEM技術の普及の促進を期待した。
比嘉博士は「EMはこの二十五年間、約百五十カ国に伝わったが、良い効果は生じても、悪い効果が出たことは無い」と報告。「EMの効果は、坑酸化作用によるものではない。ただしEMは薬ではないので、効果が生じるまで何度も繰り返し使うのが必要である」と話した。
同セミナーでは、ほかに当地日本人会、NGO、政府関係機関など計七団体、農業、畜産業におけるEM技術の利用とその結果について発表された。また、比嘉博士から、グアテマラにおける河川浄化、タイにおけるゴミ処理、コロンビアにおける養殖場での汚水浄化、沖縄における建築物の再生などについて事例紹介がおこなわれた。
講演後に比嘉博士は「多くの出席者から質問が寄せられ、当国におけるEM技術への関心の高さが窺われた」と述べた。