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東西南北

ニッケイ新聞 2008年7月3日付け

 女性の産休が六カ月に延びたが、サンパウロ州カンピーナスの労働裁判所が三十日、生後四カ月の女の子を養女として引き取った独身の公務員男性に三カ月の育児休暇を認めた。男性は、「今回の裁判での勝利が、この子が自分に与えられている権利を勝ち取っていくための試金石になってくれれば」と語っている。
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 本日から、サンパウロ市在住の六十歳以上で最低賃金二つまでの収入の人は、州をまたがって運行されている長距離バスや列車、船を無料または半額で利用できるカードを受け取ることができる。各交通機関では、各便に全額免除、半額免除各二人の席を確保しているが、カード受領には統一社会計画への登録が必要。希望者は写真付きの身分証明書と住所証明を持って社会福祉局事務所へ。
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 寒さが緩んだと思ったら、乾燥度も上昇。サンパウロ州ヴォツポランガでは湿度二一%の異常乾燥状態も報告されている。湿度が三〇%を切ると呼吸器系疾患や、皮膚や目のかゆみなども起き易くなる。濡れタオルを置いたり、蒸気をたてたりの自己防衛対策を。余り熱いシャワーや、固いタオルで強くこするなどの行為も、皮膚のトラブルを生じさせるので注意が必要。
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 一月前にサンパウロ州ソロカバで八人から暴行を受けた金属工がやっと意識を回復。言語障害なども残った状態で事件の状況を説明する様子が報道された。トイレで麻薬を吸っていたのを知らせたところ、警備員が麻薬吸引者らとともに場外に追い出したため、暴行されたらしい。誰も助けにきてくれなかったと涙ながらに話す青年。トラウマを乗越えるには周囲の支えが必要だが、サンパウロ州では暴力によるトラウマを抱える人が五%はいるという。