ホーム | 日系社会ニュース | 鳥居と祠のある百周年公園=サンジョゼ=「小島隆治広場」が完成=官民、日系社会一体で

鳥居と祠のある百周年公園=サンジョゼ=「小島隆治広場」が完成=官民、日系社会一体で

ニッケイ新聞 2008年7月3日付け

 鳥居と祠のある公園――。サンジョゼ・ドス・カンポス市が百周年事業として建設を進めてきた記念公園がこのほど完成、六月二十八日午後四時から同所で開所式が行なわれた。開所式にはエドゥアルド・クーリ市長、議会関係者をはじめ、同市百周年準備協会(曽我部道治会長)、地元日系社会の人たちなど数百人が来訪し、新しい憩の場所の完成を祝った。この日に合わせて、同公園とブラジル国旗・イペーをあしらった記念切手(二枚一組)の発行式も行なわれ、同地百周年に花を添えた。
 市内の住宅地区、カシアーノ・リカルド通り(Av.Cassiano Ricardo,Jardim Aquarius)に作られた同公園の広さは約八千平方メートル。中央部分に高さ十七メートルの特殊鋼製巨大鳥居がそびえる。その片側には松やツツジを植え、遊歩道、水路などを配した日本庭園、反対側にはイペーなどブラジルの樹木を植え、日伯の融合を表現している。
 鳥居の対角線上、日本庭園の端には岩山がしつらえられ、その上には高さ一・五メートルほどの祠が設置された。日本庭園の造成は庭師の葛山及武由さん、祠は家具製造に携わる赤沢マリオさん、山本康夫さんが製作にあたった。祠には「宇宙天地大自然創造之神」と記されている。
 当日は午後四時から祠の前で、南米大神宮の逢坂和男宮司による神事が行なわれ、市長や連議、市議のほか、オジレス・シルバ元連邦大臣、汎パライーバ地方日系団体連合会の菅野鉄夫会長、エンブラエル、ペトロブラスの代表など多数の関係者が玉串を奉納した。
 鳥居そばの灯火台に「友情の灯(Chama de Amizade)」を点火後、開所式へ。準備協会会長として二年間、建設に奔走した曽我部さんは市はじめ設計・建設に携わった関係者への感謝とともに、先端技術都市サンジョゼとして「他とは違ったものを作ることができたのも、市民の協力があったおかげ」と謝意を表した。
 同公園は、先月死去した小島隆治同市副市長の功績を称え、西本エリオ市議の提案により「リュウジ・コジマ広場(Espaco Riugi Kojima)」と名付けられた。
 クーリ市長は、小島氏の功績を挙げ、日系人の同市への貢献を称賛、「サンジョゼに日系コロニアがあることを誇りに思う」と公園完成を祝した。
 式終了後は、市長、曽我部会長と、小島氏の夫人、マリーザさんらにより、鳥居の下で記念プレートを除幕。暗くなり、ライトに照らされた鳥居が夕闇の中に赤く浮かび上がる中、参加者らは思い思いに園内を散策していた。
 花火も上がり盛り上がった会場で、曽我部会長は「たいへんでしたが、皆さん懸命にやってくれました。なんとも言えず嬉しい」と安堵の表情を浮かべ、「工事期間中、いたずらされたことは一度もなかった。これからも日本の文化である公園を大事にしてほしい」と語った。