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平野運平の胸像除幕=故郷・静岡県掛川市で

ニッケイ新聞 2008年6月28日付け

 【東京支社=藤崎康夫支社長】笠戸丸サントス港到着の去る六月十八日、静岡県掛川市生涯学習センターの玄関前。第一回ブラジル移民通訳の一人で「移民の父」とも呼ばれる平野運平の胸像除幕式が、午前十時から顕彰会員、親族、県議会員ら参列のもとに開かれた。
 除幕式に先立ち、平野運平顕彰会第一回総会が同センターで開かれた。
 顕彰会鳥井昌彦会長は「私は去年初めてブラジルへ参りました。そのとき、はじめて平野運平さんの話を聞きました。そのとき、ぜひ郷土に運平さんの像をつくって、といわれました。ブラジルへ行ってみて、皆様のご苦労や運平さんへの愛着を感じ、なんとかしなければ、と思い、戸塚進也市長と話し合いをしながら進めました」と、その経緯を報告。
 戸塚市長も胸像建設に奔走。顕彰会員会費、寄付金、市補助金などみんなの協力のもとで一年間という短期間に目的を達成。胸像建設の他に、ブラジルの国花イぺーの苗を小中学校などに配布し、ブラジルとの絆を強くしていくこととなった。
 午前十時、生涯学習センター玄関前の庭の一角の、ブラジルと日本国旗のもとで、平野運平胸像除幕式が行われた。親族四名と関係者により除幕。参加者の間から大きな拍手が沸いた。
 親族を代表して平野甫さんは「平野運平本人にとりましても、このような盛大な胸像除幕式を行って頂くなど、夢にも考えていなかったことと思います。本人の努力もあったと思いますが、運平の力だけではなく、それにまして共にブラジルに渡った多くの移民の方々や現地の皆様の並々ならぬご支援とご協力があって、はじめて可能になった結果だと思います」と、一つ一つ言葉をかみしめるように語った。