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中央銀行=目標インフレを6%に上方修正=対策的外れ否めず=グロバル化で物価高騰=通貨政策とは流通量対策

ニッケイ新聞 2008年6月27日付け

 中央銀行は二十五日、今年の目標インフレ率を六%に上方修正と発表したことを二十六日付けエスタード紙が報じた。中銀は、インフレが進行するなら、抑制手段として基本金利の引き上げは避けられないと通告。金融市場はIPCA(消費者物価指数)が六月、〇・九%に達したことで危機感を覚えた。
 中央銀行がインフレは管理されているとはいうものの、再々行われる上方修正に中銀の機能性が疑われている。中銀の経済指標は、第1四半期に較べ全般的に悪化した。
 インフレ終焉で引き継いだルーラ政権は、インフレを再び呼び戻して終わりそうだ。国内のインフレは、原油の国際価格に左右されると財務相が述べた。しかし、ブラジルは原油相場に関係なく、消費市場が過熱し、需要が伸びている。
 IPCAは、いつも十五日と月末で市民の懐具合と生活状況を調べる。五月三十日に〇・七九%であったインフレは、僅か十五日後は〇・九〇%に跳ね上がり、火に勢いがついているのだ。基本金利のサジ加減を行う中銀は、産業生殺の剣を預かっている。
 二十五日付け中銀報告書では、目標インフレ率六%(誤差をいれて六・五%)を超える可能性は二五%としているが、再度、上方修正をする可能性も示唆している。
 中銀の予測は情況を把握していない、とミング経済研究所が批判した。中銀がインフレを卵の時に潰していれば、上方修正を繰り返す必要はない。中銀は勉強不足だ。中銀と財務省は再々インフレ会議を開くが、言葉の遊びになっている。
 インフレ対策の結果を求めるなら、政府経費の削減を真剣に取り組むこと。効果はもっと早い。政府にやる気があるなら、財政黒字を増やし、公債を減らすことだ。
 インフレは、グロバリゼーションの落し子。国際決済銀行(BIS)で何かが起これば、シワよせがブラジルの中銀へくる。先進国の中銀が今のまま通貨を流通させるなら、ブラジルは先進国に泣かされる。ブラジルから先進国へシワよせを押し返すよう努力するのが、本当のインフレ対策ではないか。