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モウラ海相談=ブラジル近海は無防備状態=油田域に原潜常駐=米第四艦隊の配置も視野に=サントス沖が世界の注目

ニッケイ新聞 2008年6月26日付け

 モウラ・ネット海相は二十四日、原油高騰と大油田発見で風雲急を告げる国際情勢の中、ブラジル近海が無防備だと警告したことを二十五日付けエスタード紙が報じた。ナイジェリアでは、同国の不満分子によって油田地帯を占拠された。ブラジルも大油田地帯の警護が、必要だという。
 ブラジル近海には現在、二十七艘の警備艇が配置されているが五十四艘に増やす必要がある。海軍に原潜の建造計画があり、その延長で全艦船に核装備を施すのが好ましいと海相が述べた。
 ブラジル近海は現在、無防備同然の状態にある。海軍の現保有艦船で近海の警備は、無理である。特に大油田が発見されたサントス沖の大陸棚は、重装備の艦船配置が必要と訴えた。
 米国は大西洋の安全保障と南米テロ活動抑止の名目で、ブラジル近海に第四艦隊を急遽配置した。米政府の真意は計り知れないが、妥当措置は必要と海相が警告した。政府は、どのような形でも国内問題に干渉無用と米政府へ通告。
 現時点では伯米間は外交関係が良好であり、ブラジル海軍は米国の艦船配置がサントス沖大油田警護も含めたものとして善意に解釈し容認した。ブラジル以外の水域でも、米艦隊の配置を同様に受け入れている。
 サントス沖大陸棚は、予想を遥かに上回る埋蔵量を秘めた大油田であることは、国際間で噂されている。その他にもガスや漁場、経済水域としての大宝庫とされる。この領域を守るのは、海軍の役目である。
 すぐ必要なのは、潜水艦の常駐だ。次に警備艇。政府に予算を要請し、泥縄式であるが原潜を建造する。海軍向け予算は、十九億七千六百万レアル。そのうち核開発が、一億三千万レアル。近日四億レアルが交付されるらしいが、補正予算として警備艇建造に、三億三千万レアルが欲しいところだ。
 油田はこれからも次々発見されるが、海岸から段々遠距離になる見込みだ。遠距離になると警備法も海上交戦や海中交戦と異なるので、警備訓練が必要になるという。