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政府発言が無定見=農業融資は流用目的の詭弁

ニッケイ新聞 2008年6月24日付け

 食糧危機に備えて農業融資の増額はよいことだが、それは食品高騰やインフレ対策には全く無意味で詭弁であると二十二日付けエスタード紙が論説を掲載した。
 財政黒字の増額やソブリン・ファンド(政府基金)の設置などを発言するときは、他のことで資金が必要になり予算流用を考えているという。
 食糧インフレ対策として六百五十億レアルの農業融資を口にするのは、不自然。工業製品なら、供給を増やせばよい。しかし、農産物は融資や金利だけで需給管理はできない。国際相場という要因があるからだ。
 農産物が溢れる程あっても、国際相場が上がれば、生鮮食品を除いて市場から消える。需給関係とは、全く無関係だ。かつては、インフレ対策のために牧牛の没収など狂気の政策も行った。
 その他に、天候の影響や肥料価格、可耕作地の有無、生産者の意欲もある。それが分からないと、アルゼンチンの轍を踏んで混乱を来たす。