ニッケイ新聞 2008年6月21日付け
皇太子さまご訪問を受け、リベルダーデには日伯両国旗が揚がり、すずらん灯もお色直し。ブラデスコ銀行もお城のような改装も完成、歓迎ムードに包まれた。お車が広場を左に曲がる瞬間、関係者により広場角に設置された神戸から運ばれた「友情の灯」が点火されたが、止まることなく次の訪問予定地に向かわれた。沿道を埋めた人たちは名残惜しそうに、皇太子さまの乗られたお車を見送っていた。
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二十日午前、サンパウロ市文協の移民史料館をご訪問された皇太子さまは、九階展示室の出口にあった皇后美智子さまの写真パネルをご覧になり、軽く微笑まれてから退出された。
この写真は、九七年にご来伯された天皇皇后両陛下が、「憩の園」に慰問されたときに撮影されたもの。このパネルには美智子さまがお読みなった「移民きみら辿りきたし遠き道にイペーの花はいくたび咲きし」の句が添えられている。
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リベルダーデ広場、きのう朝。皇太子さまガルボン・ブエノ街ご通過のあとの終着点であった。高齢者優待席が設けられ、百人ほどが着席し、皇太子さまのご到着を、いまや遅しと、待った。予定時刻より約二十分遅れてお車が警備車に先導され到着、と思ったら、これが通過だった。おそらく、皇太子さまのお顔を見たのは、多くて最前列の五、六人だったのではないか。まさしくご馳走の匂いだけ嗅がされて…、という感じ。