ニッケイ新聞 2008年6月20日付け
サンパウロ市の交通渋滞は一朝一夕では解決不能だが、カサビ市長は、四月発表のトラック乗り入れ規制に加え、小型トラック対象の規制案を発表した。
十八日、十九日の伯字紙によれば、十八日発表の乗り入れ規制は六・三メートル以下の小型トラックが対象で、先に発表されていたトラック規制とともに三十日(月)から施行される。
四月発表の法案では、市内のトラック乗り入れ規制区域が二十四・五平方キロから百平方キロに拡大され、区域内の走行は二十一時から五時までのみとされる。これについて市当局は五月に、緊急車両や現金輸送車、引越時などについては、別枠として発表した。
今回上乗せされた六・三メートル以下の小型トラックへの規制は、二段階に分けて適用される。
第一段階施行は六月三十日からで、日中の走行が、ナンバープレートの末尾が偶数なら偶数の日のみ、奇数なら奇数の日のみと規制される。現行のロディージオ(ナンバープレートによる乗り入れ制限)では週一日のラッシュ時限定の乗り入れ規制が、週に三日の日中走行禁止となる。
第二段階の八月一日からは、先の条件に加え、日中の走行時間が十時から十六時に限定される。
さらに十一月一日からは、小型トラックも他のトラックと同様、二十一時から五時までのみ走行可能となる。
カサビ政権担当者は、この規制によって渋滞は一四%から一七%緩和されると言うが、専門家らには疑問。また、乗り入れできないトラックの代替用に小型トラックやバンを購入済みの運送業者もおり、新たな制限で業務に支障をきたす、車の数はかえって増加、夜間の業務が増え、時間外手当や警備費がかさみ、消費者価格への経費上乗せが起きるなどの指摘もある。
新規制発表の十八日には、粗大ゴミ業者など、約二十五台の車両がマルジナル・チエテ~ピニェイロスをノロノロ運転。軍警交通隊のバイクやパトカー、レッカー車も伴走したが、この抗議行動により、最高時は十一キロの渋滞が発生した。
なお、両マルジナルとバンデイランテス大通りでのトラックのロディージオの開始時期は、後日改めて発表される。また、二〇一〇年九月の環状線南部分完成前には再度、規制の見直しがされる見込みだという。