ニッケイ新聞 2008年6月19日付け
パラナ州で水質改善活動を行ない、クリチーバの都市計画に携わった元同州環境長官の中村矗さん(63、クリチーバ在住)が移民としては初めて、古里の兵庫県から功労者表彰を受けた。五月二十一日、県庁で井戸敏三知事から直接受け取った。
中村さんは、同月十六日から三十日まで訪日、二十二日に神戸市であった「ひょうご地球環境国際シンポジウム」に参加したほか、上智、淑徳、大阪産業、京都、立命館の五大学、神戸、富山両市役所でも講演活動を行なった。
〇四年から毎年のように講演のため訪日、クリチーバでの都市開発の経験を伝えているが、「関心が年々高くなっているなか、具体的な解決策はまだ見当たらないようだ」と話す。「戦後あまりに西洋的な考え方に傾きすぎたのでは」と祖国の状況に警鐘を鳴らしながらも、今後も自らの経験を伝えていくという。
県知事賞の受賞には、「私は帰化したブラジル人だが、移住先でやったことが日本で認められるのは、非常に光栄なこと」と素直に喜んでいる。