ニッケイ新聞 2008年6月18日付け
「約束通り、新曲『笠戸丸』を持って帰りました」。コロニアが育てた演歌歌手、井上祐見さん(32、横浜市在住)が十年目の南米公演をしに今年もやってきた。NHK神戸で番組が組まれるなど日本で話題になった新曲「オブリガーダ笠戸丸」を、十八日午後五時半からサントス第十四番埠頭倉庫でブラジル初披露すべく、一年越しで準備を進めてきた。
この歌を作るために参考になる歌詞を募集したところ、ミナス州ウベラーバ市在住の濱田三一さん、最後の笠戸丸移民・中川トミさんの長男の嫁、裕子さん、野澤今朝幸さんなどいろいろな方からエピソードなどが届き、それを作詞家・作曲家全員で読んで、練り上げたという。
四月二十八日の神戸百周年式典で日本初披露され、笠戸丸移民が降りたサントスで本日、披露される。「ようやく私の歌も笠戸丸と共に海を越えました」とは井上さん。
今回は二十二日にピエダーデ、二十七日にグアタパラ、二十九日にブラジリア、七月四日にスザノ、六日にサンパウロ市公演を予定している。十四日に帰国する予定。