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10万人につき17人も=19歳以下の殺人犠牲者

 国際児童基金(ユニセフ)が4日、ブラジルは世界190カ国・地域の中でも、19歳以下の子供や青年が殺される率が高く、10万人当たりの殺人率は17人で、世界で6位だったと発表した。
 殺人率でブラジルを上回ったのはエルサルバドル(10万人当たり27人)、グアテマラ(同22人)、ベネズエラ(同20人)、ハイチ(同19人)、レソト王国(同18人)の5カ国のみ。殺された人数は1万1千人以上で、1万3千人に近いナイジェリアに次ぐ2位だった。黒人の青年が殺される率は、同じ年代の白人青年が殺される率の3倍も高い。
 ユニセフによると、ブラジルでの子供や青年殺害は、ここ数十年で劇的に増加しているという。ブラジル国内での子供や青年殺害は、銃が容易に手に入る事や麻薬の使用者が増えている事、子供や青年の数が増えている事などが原因と見られている。
 10~19歳の男性の死亡原因の第1位が殺人である国は、パナマ、ベネズエラ、エルサルバドル、トリニダード・トバゴ、ブラジル、グアテマラ、コロンビアの7カ国。2012年の場合、全世界の20歳未満の殺人被害者は9万5千人で、殺人被害者全体の5分の1を占めている。
 ユニセフはまた、少女の場合は10人に1人が何らかの形の性的犯罪の被害に遭っているとも報告。2~14歳の女児の場合、10人に6人が恒常的に親からの暴行を受けているともいう。
 ユニセフの報告書は206ページに渡るが、その中には、20歳未満の女児または女子青年の10人に1人(約1200万人)は性的行為を強要され、15~19歳で結婚している女子青年の3人に1人は、相手の男性から精神的、肉体的な暴行を受けているとの報告もある。コンゴや赤道ギニア共和国の場合は、伴侶から暴行を受けている女性は70%に及んでいるという。
 ユニセフ幹部によれば、世界には夫が妻に暴行する事や子供に体罰を与える事を正当化する国もあるという。子供を育てるためには体罰が必要だと考えている大人は10人に3人で、58の国では17%の子供が重い体罰に苦しんでいる。エジプトやイエメンでは体罰で苦しむ子供の割合が40%に上っている。
 15~19歳の青少年の場合、夫が妻をある程度の頻度で殴るのは許されると考えている人が約半数おり、アフガニスタンやヨルダン、東チモールではその割合が80%に上るという。(5日付エスタード紙より)